別の世界線での私たち ページ8
松野千冬、26歳
念願叶って、ペットショップの経営をしている
仕事を手伝ってくれてるのは、過去には因縁もあったが、今ではよき仕事仲間の羽宮一虎くん
血のハロウィンで亡くなった場地さんの夢を、俺たちで繋ごうと思い、こうしてペットショップをオープンさせた
オープンして以来、着実に売り上げも伸びてきて軌道に乗ってきた
そして先日、ようやく決心がついて、長く付き合っている彼女にプロポーズして、OKをもらったばかりだ
一虎
「手、止まってるぞ
早く発注かけねぇと納品間に合わなくなるぜ」
一虎くんの一言で俺は我に返った
仕事中、パソコンを前にして、完全に別のことを考えていた…
一虎
「ったく、浮かれすぎじゃねぇの?
国民的歌姫にプロポーズして、オッケーもらってさ」
千冬
「う、浮かれてなんてねぇっす!
ただ、こっから先のこと考えてて…
住むところとか、いろいろ…」
一虎
「そーゆーのを浮かれてるって言うんだぜ
自覚なしかよ」
ははっ、と一虎くんは笑った
そう、俺のプロポーズした相手は、誰もが知っている国民的歌姫
花垣A、タケミっちの双子の妹だ
ガキの頃から、歌手になることを夢見て、レッスンやオーディションを受けていた
今では歌手活動だけでなく、そのファッションも注目されるようになっている
そんな芸能人が、俺の婚約者だ
同じマンションの別のフロアに部屋を借りて住んでいる
一緒に外出はなかなかできねぇけど、それは仕方ない
千冬
「一虎くん、俺、今日は定時で上がりますんで」
一虎
「おぅ
あれか、Aがオフで家にいる日か?」
千冬
「はい
久しぶりのオフで、夕飯支度してくれるらしいんで」
一虎
「いーなー、お前
今、すげー幸せだろ?」
千冬
「な、なに言ってんすか
別に、普通っすよ」
からかう一虎くん
しばらくは、これが続くかな…
…早く帰って、Aの顔みてぇな
最後に会ったのって、2週間くらい前だったっけ…
まぁ、お互いに仕事が忙しいから、1ヶ月近く会えねぇってこともあるけど…
帰ったらAの飯が食えるのは、やっぱテンション上がる
早く仕事を終わらせて、定時で家に帰ろう
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作者名:神奈月 | 作成日時:2023年11月5日 13時