3 ページ3
まるで映画を見てるかのような感覚
それはきっと、Aが見てきたであろう世界線の記憶
多分これは、全部A目線の映像だ…
ステージ上でたくさんの観客とまぶしいくらいのペンライトがみえる
何かの知らせを聞き、その場で泣き崩れるA
…きっと、俺の死を知ったんだろう…
タケミっちと一虎くんと車に乗り込み、タケミっちと額を合わせるA
タケミっちが警察に逮捕され、一虎くんと2人で呆然としながら連行されていくのを見送る姿
仕事の予定が詰まっているのか、一虎くんにどこかのスタジオまで送ってもらっている
どうやらレコーディングらしい
…俺が言うのもなんだけど、俺が死んだの知ってすぐに仕事するって、なんかAらしいというか…
…あれ、なんか様子が変だ
レコーディングスタジオでヘッドホンをつけ、マイクに向かっているのに…
声が出ていない…
Aは喉を抑えながら、スタッフにもう一度、と合図を送っている
けど、何回やり直しても、Aの声は出ていない
Aはその場に、力無く座り込んだ
スタッフが慌てて駆け寄ってくる…
そして、タイムリープしたのか、場面は過去に戻った
鏡の前で制服を整えている
眠たそうなタケミっちが部屋に入ってきて、目が合った
タケミチ
『いつまで支度に時間かけてんだよ
そろそろヒナを迎え行かねぇと遅刻すんだけど』
A
『ぇ、だって、制服のネクタイがうまくできなくて…
12年も経ってたら、制服の着方なんて忘れるよ…』
タケミチ
『…おまえ、今、なんて…』
A
『あっ、なんでもない、気にしないでっ
おかしいなー、昨日まで出来てたことができなくなっちゃうなんてねー…』
タケミチ
『A、お前もまさか…
12年前からタイムリープしてきてるのか…?
千冬が、あんなことになって…』
A
『…タケミチ…?
千冬があんなこと、っていま言った…?
…タイムリープって…?』
それから、タイムリープについてタケミっちからいろいろ聞かされた
どうやら、Aが初めてタイムリープしたときの記憶らしい
千冬
「これは、Aの記憶…」
一気に大量の記憶が流れ込んできた
我に返った俺は、思わず自分の頭を手で押さえた
頭痛でも起きそうなほどの、大量の記憶を見た気がする
けどそれはきっと、Aが見てきた記憶のほんの一部なんだろう
119人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神奈月 | 作成日時:2023年11月5日 13時