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高専の敷地内にある、高専関係者が住む社宅
俺たち生徒が生活する寮にも近い場所にある
社宅に住む高専関係者もいるし、五条先生のように社宅と自宅を行き来する人もいる
夜蛾学長がAさんに、高専で生活した方がいいと言っていたのは、おそらくこのその社宅で生活を、という意味だったんだと思う
校舎を出て、五条先生が使用してる社宅に向かう時だった
??
「お久しぶりです、眠り姫」
俺らの背後から聞こえた声
虎杖
「あれ、ナナミンだ
高専に来るなんて珍しい」
七海
「長期で任務にあたっていたので、その報告に来ました
それより虎杖くん、君たちはいつの間に眠り姫と懇意になったんですか?」
A
「七海、もうその呼び方はやめてよ
私、ちゃんと起きてるから」
くすくす笑うAさん
七海
「すでにこの呼び方に慣れてしまっていまして…
ですが、そろそろ改めないと、また五条さんがうるさく言いそうですね」
A
「そうね
あの人のことだから、もうあの頃のことは思い出したくない、って騒ぐでしょうね」
七海
「では、次からは呼び方を改めるようにします
虎杖くん、Aさんのこと、頼みます」
虎杖
「ぇ、ぁ、はい…」
ナナミンはそう言うと、俺たちに背を向けて学長室に向かって行った
釘崎
「Aさん、眠り姫って呼ばれてるんですか?」
A
「やめてって言ってるんだけど、なかなかねぇ…
私、もう28になるから姫って年齢じゃないのに…」
釘崎
「でも、なんとなーくだけど、眠り姫ってしっくりくるような感じがするんですよね」
虎杖
「俺も、なんかわかるーって感じがした」
伏黒
「2人とも、その辺にしておけ
誰にだって、詮索されたくないことはある」
釘崎と俺がそんな話で盛り上がっていると、伏黒がそう言った
自分の背中でAさんの姿を隠すように、割って入ってきた
A
「恵くん、私は大丈夫
それに、眠り姫なんて呼ばれているの聞いたら、なんでそう呼ばれているのか普通は気になるでしょ」
伏黒
「でも…」
A
「ありがとう
別に隠すようなことじゃないから、大丈夫」
そしてAさんは、俺たちに眠り姫と呼ばれている理由を教えてくれた
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作者名:神奈月 | 作成日時:2024年1月20日 23時