19 ページ19
僕としたことが、しくじった…
街中を歩いていて、いつものごとくいろいろと声をかけられて、適当に話を合わせていた
Aが少し離れた距離から、やや嫉妬している表情をしているのも、いつものこと
僕、わりとAに想われてるなぁ、と思いたくて、時々こうして意地悪なことをしているんだけど…
今回ばかりはいつもと違った
正直、Aの姿が視界にいなくても、彼女の持つ神の力、その気配は消えない
だから、それに安心しきっていた
突然、Aの気配が消えたんだ…
何が起きたのかわからなかった
いや、今でも何が起きたのか、理解ができていない
声をかけてきた女の子には適当なこと言ってその場を後にした
Aの残滓を追い、僕は街中を歩き回った
地上からでは探しきれず、上空からも気配を辿ったが、全くわからない
スマホも繋がらない
というか、こんな街中からいきなりスマホが圏外のところに移動できるわけがない
…僕ならできるけど…
いや、そんなことはおいといて…
つまり、Aは今、帳の中にいる…
一通り、気配を追えるとこまで追ったけど姿を見つけることはできなかった
僕は再び女の子たちに声をかけられた場所に戻った
けど、やはりAの姿はない
…考えられるのは、呪詛師か…？
何者かがAを連れ去った…
そう考えるのが自然だ…
もう一度、この辺りを探してみるか…
そう思って歩き出した時だった
視界の先から、なにか小さく白いものが僕の方に駆けて来た
そして、僕の方に飛びついてきた
悟
「Aのウサギじゃないか…
Aはどこにいるんだい？」
普段、Aのバッグの中ににいるウサギが、そのバッグを飛び出していること自体、異常事態だ…
何かを必死に訴えて、オロオロしているウサギ
悟
「Aがどこにいるか、案内できる？」
そう聞くと、ウサギは大きく頷いた
…この件、学長に知られたら大変だ
…ぁー、でももうこのウサギを通して学長にはバレてるか…
あとで小言はいくらでも聞こう
まずは、Aを探し出さないと…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神奈月 | 作成日時：2024年1月20日 23時
