検索窓
今日:84 hit、昨日:95 hit、合計:26,204 hit

刺客たち ページ18

古びた洋館の重厚な扉を開くと、目の前には大きな広間と大階段

今にも童話のプリンセスが優雅に階段から降りてきそうな感じだ

A
「すごい…
 素敵なお屋敷だ…」

埃をかぶったシャンデリアや装飾品は、主人がいた頃と変わらないように見える

もっと朽ちていてもおかしくないだろうに…

誰かが定期的に手入れでもしているんだろうか…

ちょうどシャンデリアの真下、目の前には大階段

見上げると、大階段上がった正面には大きな鏡があり、階段は左右に枝分かれをしている

A
「美女と野獣のワンシーンみたい…」

大階段を登り、鏡の前に立つ

埃を被った大きな鏡

そこに映る自分の姿は埃でぼやけている

鏡の、ちょうど自分の顔の高さの位置を、少し手で触ると、ざらっとした埃が手についた

その瞬間だった

??
「会いたかったよ」

また、耳元で囁かれた、懐かしい声

ドキッとして鏡を見ると、自分の顔の横に、夏油傑の顔が見えた

A
「傑…!?」

突然、右側に感じた気配

顔を向けようとすると、その人物にいきなり背後から抱きしめられた

A
「…うそ…
 これ、夢だよね…
 傑が、いるわけない…」


「しばらく会わないうちに、私のことは忘れてしまったのかな」

顔は見えない

でも、確かに傑の声だ…

ちらっと鏡を見ると、黒い法衣を着ている

最期に見た傑と、同じ格好だ…

どうして、あの日亡くなったはずの彼がここに…

あの日、悟は確かに彼を…

私が知らないところで、悟は傑を見逃したということ…?

…わからない

わからないけど、今、傑がここにいる…


「ようやく、準備ができたんだ」

A
「準備…?」


「そう
 君を迎えにきたんだ」

A
「…あの日も、そう言ってた…」


「A…
 私と一緒に行こう」

腹部に回された腕に、さらに力が入るのがわかった

A
「…傑…
 私の答えは変わらないよ
 あなたとは、一緒に行かない
 私は、悟と生きて行くって決めたから」


「悟よりも私の方が君を幸せにできる
 君が望むものを用意できる
 だから、君が持つ神の力で、私とこの世界を変えて行こう」

ぞくっと、背筋を冷たい何かが走るような感覚

彼は、違う…

A
「…あなたは誰…?
 あなたは、私が知ってる夏油傑じゃない」

振り返った瞬間、見えたのは確かに傑の姿

けど、その額には見覚えのない大きな縫い傷があった


「おっと、残念
 時間だ…」

その言葉と共に、私の意識は遠のいた

19→←17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
271人がお気に入り
設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神奈月 | 作成日時:2024年1月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。