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またね、と言ってその人は俺たちに背を向けて歩いて行った
見た目も綺麗な人だったけど、姿勢も歩き方も綺麗だな…
A、と呼ばれたその人の背中をぼぉっと見送る俺
硝子
「Aのことはダメだぞ、虎杖」
虎杖
「Aさん、か…
って、そんなんじゃねぇっすよ…!
茶化さないでください…!」
と言いながらも、俺の目線はAさんに向けられていて…
中庭にいる2年生と何やら話を始めている
顔見知り、か…
高専の先生ではないみたいだけど…
釘崎
「ちょっと虎杖ー!
あんた、机にケータイ置きっぱだった!
面倒だけど、この野薔薇様が直々に届けにきてやったぞ!」
デカい声で釘崎が研究室に入ってきた
虎杖
「ぉ、悪ぃ!
サンキュー!」
釘崎
「…ん?
あんた、なんか顔赤いけど…」
俺の顔を覗き込んでくる釘崎
虎杖
「べっ、別になんでもねぇよ!」
硝子
「ふふっ、一目惚れってやつ?」
釘崎
「ぇ、マジで?
誰に?家入さんに?」
硝子
「私じゃなくて、中庭にいる彼女」
家入さんは中庭を指差して、釘崎にそう伝えた
釘崎
「…へぇ…、あんた、年上好きだったんだ?
ってか、あの人誰?ここの先生?」
釘崎がそう聞くと、家入さんは口元に手を添えて少し笑った
硝子
「そうか、あなたたちはまだ知らないんだったね
彼女は五条の嫁だよ」
虎杖
「へぇー、五条先生の奥さん…
…ぇ…?」
俺の思考、完全停止…
五条先生の、奥さん…?
隣にいる釘崎を見ると、やっぱ思考止まってそうだ
目が点になってる
硝子
「なんだ、本当に知らなかったの?
五条、肝心なことと自分のことは割と話さないからな…」
俺がその日出会った綺麗なオネーサン
その人は、呪術界最強と呼ばれている五条先生の奥さんだった
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作者名:神奈月 | 作成日時:2024年1月20日 23時