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懐かしいあのバイク ページ9

まさか、行きつけのお店が同じだとは思わなかった

仕事に追われる日々の中、数少ない落ち着くことができる時間だ

いつもは1人でお気に入りの席で、お気に入りのカクテルで、のんびり過ごす

でもあの日はすごく楽しかった

ふらっと寄ったペットショップにいた彼

こんなに偶然が重なるもの?

と言いたくなってしまった

ヤンチャしていた頃の千冬の話は、痛そうな話からお腹を抱えて笑ってしまう話まで、ほんとにレパートリー豊富だった

帰り際、またペットショップに行く約束までして…

しかも、彼は私とトラくんのことを察しているのか、トラくんがいない日を教えてくれた

ほんとに小さなことだけど、彼の気遣いになんだか心が温かくなった気がした





約束の日

私はあのペットショップまでの道のりを小走りで向かっていた

なかなか仕事が終わらず、お店の閉店時間はすでに30分ほど過ぎてしまった

お店に直接、今日は間に合わないから、と連絡することも考えたけど、なぜか、その電話をかけることをためらってしまった

今日を逃したらもう会う機会がないかもしれない

あれ…

私、あの黒猫ちゃんに会いに行くはずなのに…

心がもやもやしながらお店に着いた頃には、当然のごとく電気は消えていた

当たり前か…

少し息を切らせながら、肩を落とす

ふと、お店を見ると、わずかにドアが開いていた

まさか…

施錠を忘れて帰るなんて考えられない

そっとドアを開けて店内に入ると、奥のカウンターで千冬は漫画を読んでいた

私に気がつくと、彼はニッ笑って言った

千冬
「遅せぇーよ。」

A
「ぁ、ごめんなさい…
 仕事、終わらなくて…
 待ってて、くれたの…?」

千冬
「ぁ?
 だって、お前言ったじゃん
 俺に会いにくるって」

お酒の席とは言え、随分なことを言ってしまっていた

急に千冬の顔を見れなくなる

A
「ぁ、あのっ…すぐ帰るから…
 く、黒猫ちゃん、見せてもらいますっ」

その場に居づらくなって、私は黒猫の元へ向かう

前回同様、黒猫は私をちらっと見ると、見てんじゃねぇよ、とばかりにぷいっとそっぽを向いた

A
「…もう少し愛嬌ふりまいてもいいじゃない…」

千冬
「こいつ、なかなか懐かなくてさ
 やっと俺に懐いてくれたとこ」

千冬がケージの前にくると、さっきとはうってかわって、かわいくにゃーんと鳴きながら千冬のそばに寄ってきた

A
「飼い主、見つかるまでに少し時間かかるかもね」

だな、と千冬も苦笑いした

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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか? (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年9月24日 15時

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