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千冬
「これ、今日もAが一虎くんに、って」
店に行って、まず最初に一虎くんに弁当を渡す
すると、一虎くんは案の定、ニヤけがとまらない
一虎
「Aっ…
…千冬、俺、Aのこと好きになっちまうかも」
千冬
「ダメっす」
一虎
「じゃぁ、今度お礼に、Aと飯行ってもいいか？」
千冬
「それもダメっす」
一虎
「独占欲の強い男は嫌われるぜ？」
千冬
「独占欲とかじゃなく、普通に考えて、常識的にダメっす」
一虎
「お前、Aのことになると周りが見えなくなるなー
からかい甲斐があって、しばらくは退屈しねぇですむなー」
からかわれてるのか、俺…
ぐっ、と堪えながら、俺は仕事の準備を始めた
和解し始めてるのが、いいのか悪いのか…
一虎くんが一歩引いたところから、Aを見ているのはわかっている
きっとそれは、一虎くん自身が決めたAとの距離感なんだ…
仕事を定時に終わらせて帰宅する途中
いつもは目に留まらないような、ブライダルジュエリーの店が目に入った
結婚という言葉がちらつく
まだ半年、なのか、もう半年、なのか…
家に帰ると、部屋の明かりがついているという生活にも慣れてきた
ドアを開けると、ペケが丸まって待っていた
ペケJという名前をつけたものの、紛らわしいからという理由で呼び方はペケになった
千冬
「ただいま」
A
「おかえり
夕飯、支度できてるよ」
エプロン姿で出迎えてくれるA
玄関にいたペケは俺と一緒にリビングに入ると、Aの足元をぐるぐると回る
Aが手を出すと、ぴょんっと飛んでゴロゴロと喉を鳴らした
A
「君のご主人は、私じゃなくて千冬だよ」
優しい顔でペケにそう言う
ペケにAをとられた気がして、Aからペケを預かって、そのまま床に下ろす
Aを抱き締めると、いつもと同じ香りがする
A
「千冬…？
どうかした？」
きょとんとしながらも、おかえり、と言いながら俺の背中に腕を回す
ずっと、こんな毎日が続けばいい
そう思っていた時だった
余韻をぶち壊すように、Aのスマホが鳴った
俺の腕からするりと抜け出して、親しげに誰かと電話を始めた
なんだか納得いかなくて、電話をしているAを今度は後ろから抱きしめる
首筋に顔を寄せるとくすぐったそうに軽く身を捩ったり、スマホを持ってない方の手で俺の顔を遠ざけようとする
電話の相手は女だ
どこかで聞いたことのある声だけど誰だ…？
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
