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一虎
「お前、親バカっつーか、Aバカだったよな…
兄妹ってのは、まぁ置いといても
ほんとは、Aのこと、好きだったんじゃねぇの？」
墓石を前に、思わず出る独り言
なぁ、そんなん言えねぇから、兄妹ってゆー建前つくって…
『そんなんじゃねぇよ』
お前はそう言うだろうな
俺も、ガキの頃からAしか見えなかった
でも、あの日
Aがペットショップに初めて来た日
店を閉めようとして千冬に声をかけた俺が見たのは
視線が絡まる、千冬とAだった
それはたった一瞬だったと思う
それでも、その一瞬で、俺が入り込む隙なんてなくなっていた
Aが俺に向けるのは憎悪しかなかった
一虎
「憎くても、恨まれても、それでもよかった
存在自体を忘れられるくらいなら、そーゆー感情でも…
俺も、そーとーな、Aバカだな
お前のこと言えねぇわ」
でも、Aは俺を許すと言った
まだ時間はかかるだろうけど、少しずつ、許そうとしてくれている
一虎
「俺が知らねぇとこで、千冬の存在が支えになってたんだ
入り込む余地も隙も、なかった
あいつ、ほんとにいい奴だしな…
千冬なら、Aを任せられる
お前があの時言ってたこと、今ならわかる
俺じゃ、ダメだったんだ」
それでも、Aの側にいる理由がほしかった
一虎
「俺が、お前の代わりに、兄貴になるから
もしこの先、千冬がAを泣かせるようなことあったら
一発ぶん殴るくらいいいだろ？
Aも、こんな俺でもまた少しずつ昔みたいに戻りてぇって言ってくれた」
場地の代わりに兄貴に…
そう言ったあの日、Aはそう答えたんだ
それだけで、満足だ
Aが幸せなら、それでいい
心が満たされるって、こうゆうことだと初めて思った
玄関から先には上がらずに帰ったあの日
帰り際にAの頭にぽんぽんと手を添えると、子供扱いするなと、怒られた
幼馴染として、兄貴として、この先を見守ろう
そんなとき、聞き覚えのある声が聞こえた
「Aー、転ぶなよー？」
「子供扱いしないでよ
千冬こそ、歩くの早い」
「場地さんが待ってんだ、早くしろよー」
一虎
「…あいつら来たみてぇだし、帰るわ
また来るから、話、聞いてくれよ」
2人と鉢合わせしないように、足早にその場から離れる
千冬
「誰か来てたんだな…」
A
「ぅん、東卍の誰かな気がする」
一虎
「千冬…
Aを頼むぜ」
お前なら、任せられる
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
