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千冬
「…ぁ、ぇ…?」
今、何て言った…?
1日付き合って?
ゴキに乗せて…?
言われた内容を理解するのに時間がかかった
A
「ぁ、あのっ、ごめんなさいっ…
昨日すっぽかしておいてこんなこと言って、都合良すぎるのもわかってるしっ…、図々しいこと言ってるのもわかってるしっ…
そもそもっ…、迷惑、だよね…
ごめん、やっぱり今の忘れて!」
千冬
「めっ、迷惑なんかじゃねぇよっ…!」
最初の方が早口すぎて何言ってるかよく聞き取れなかったけど、迷惑という単語だけは聞き取れた
千冬
「俺、Aの都合に合わせるから」
俺がそう言うと、Aの表情がぱぁっと明るくなった
そのあと、あの黒猫を見て、どうせ隣のマンションだからと送っていくことになった
帰り際、今度はちゃんと携帯の番号も交換した
俺が部屋に戻るのを察したかのように、スマホが鳴り、Aからのメッセージを受信する
昨日は本当にごめんなさい
今日は送ってくれてありがとう
今度、楽しみにしてる
女にしては、絵文字も何もないシンプルなメッセージだった
Aとの約束の日
バイク乗るんだから、それなりの服装で、とは言ったおいたが…
いつもは仕事帰りのスーツ姿ばっかだから、なんだか私服自体が新鮮に見える
さすがにゴキに乗るのも3回目となれば、少しは要領を得たようで、少し手を貸してやれば後ろに乗れるようになった
今思えば初めて乗ったとき、思わずAを抱き上げちまったが、思い出すと自分のことなのに急に照れてしまった
千冬
「で、俺、未だに行き先聞いてねぇんだけど
1日って、目的地は?」
A
「…海」
千冬
「いいけど、もう海水浴シーズン終わってるぞ?」
A
「別に泳ぎたいわけじゃないからっ…
そんなに遠くないから、私がナビするよ…」
千冬
「ぉ、おぅ…」
Aはバイクが動き出す前に、俺にしっかりとつかまってきた
これ、知らねえ奴が見たら、普通にカップルに見えるよな…
なぁ、A
もし、お前のこと好きだ、って言ったら、なんて答える?
まだ数える程度しか会ってない、って一蹴するか?
それとも、一虎くんと付き合ってるから、とか答えるのか?
その答えだけは嫌だ…
どうしても、昨夜の光景が目に焼き付いて離れない
運転しながら、ぶんぶんと頭を振ると、Aは大丈夫?と声をかけてくれる
いやいや、俺、お前のことで頭ん中一杯になってんだよ
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか? (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年9月24日 15時