思い出のカケラを集めに… ページ16
千冬
「…はぁー…」
自分でもわかるくらいの盛大なため息が出た
今日、何回目だろ…
仕事してても、身が入らない
そして今日何度目かわからないが、一虎くんの方をチラッと見る
一虎
「お前、朝からチラチラ俺のこと見てっけど、なんか言いたいことでもあるわけ？」
言いたいこと、あるに決まってるだろ
なんで昨日の夜、Aのマンションに2人で入ってったんだよ…
お互い、気まずい感じじゃなかったのかよ…
Aとの約束の日
ガキみてーだけど、朝からテンション上がってた
閉店時間になったらすぐに店を閉めて、BARに向かった
仕事次第って言ってたし、多少遅くもなるだろう
そう思って待っていた
22時を過ぎてもAは来なかった
さすがにこの時間まで待っても来ないってことは、仕事か、気が変わったか…
せめて、携帯の番号くらい、聞いておけばよかった
そう思いながら、自宅に向かった
そして、偶然、見かけちまった
一虎くんとAが、Aのマンションのエントランスに入っていくのを…
漫画でよくあるパターンだ
結局、運命だとか言ってるポッと出の奴より、幼馴染が勝つんだ…
千冬
「…はぁーー…」
気が付けばもう閉店の時間だ
全然仕事にならなかった
当の一虎くんは、閉店と同時にさくさく片付けを始めて、帰ってしまった
…A、か…？
もやもやした気持ちは全く晴れない
俺、重症だな…
足取りも重く、ゴキを店の裏から出し、帰ろうとした時だった
シャッターを閉めた店の前に、ゆるいウェーブがかった黒髪の女がいた
A
「…千冬…」
俺の方を見ると、申し訳なさそうな顔をしている
千冬
「A…」
なんで、ここにいんだよ
一虎くんもう帰ったぞ
いや、もしかして一虎くん待ちか？
A
「昨日、ごめんなさい…
仕事が忙しくて、曜日の感覚なくなっちゃってて…
確か今日だったかなって思って、本当は昨日あのBARに寄るつもりだったんだけど、ちょっと、急に行けなくなっちゃって…」
知ってる
一虎くんといたんだろ
千冬
「…ぁ、そ、そか…」
なんか、気まずい
何を話していいかもわかんねぇ
…もしかして、もう会わない、ってわざわざ会いに来たのか…？
A
「ぁ、あのっ、それで…
今度、都合が合う日に、1日、付き合ってもらえない…？
また、ゴキに乗せてもらえないかな…？」
千冬
「…へ…？」
自分でも聞いたことないくらい、ダセェ声が出てしまった
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
