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こどもの殴り合いなら、ケンカといっていいかもれしない

でも、大人はそういうわけにはいかない

ケンカなんて言葉じゃすまない

A
「と、トラくん…」

殴り合いなんて、絶対にしてほしくない

彼を、どうしたら止められるか必死に考えていた時だった

男の1人が急に顔色を変えた


「トラって…
 おい、こいつ、やべぇよ…
 首に虎の刺青っ…!
 羽宮だ、羽宮一虎だっ…」


「ぉ、俺もパスだっ…
 やべぇよ、本気で殺 されるぞ…っ!」

2人があわてて逃げていき、もう1人も訳がわからないといった様子だったけど、彼らを追うように逃げていった

3人が去り、トラくんと2人

一虎
「…おれ、そんなにやべぇ…?」

きょとんとした顔をして、首を傾げると、鈴のピアスがリンと鳴った

A
「…あの人たちがそう言ってるんだから、やべぇんじゃない?」

一虎
「お前までひでぇなぁー
 ったく、俺が不良してたのっていつの話してんだか」

ははっ、と彼は笑った

A
「あ、あのっ…
 ありがとう、助けてくれて…」

一虎
「ん、なんもなくてよかった
 偶然、お前見つけて、声かけるか悩んでたら、絡まれてたから」

A
「…ありがと」

この前のこともあって、彼の顔をまともに見れない

一虎
「帰る途中なら、送ってく
 っつーか、寄り道しねぇで帰れよ
 手、震えてんじゃん」

言われて気が付いた

まだ、震えていた

でも、千冬との約束、今日かもしれない

こんなことならせめて、電話番号くらい聞いておけばよかった

少し悩んだけれど、やはり、このままどこかに寄って帰る気にはなれなかった

A
「…うん、帰る…」

一虎
「なら送ってく
 言っとくけど、お前に拒否権はないからな
 …お前になんかあったら、場地が怒るから」

A
「…ふふっ、なにそれ
 別に、圭介くんは彼氏でも父親でもないから」

一虎
「兄貴以上彼氏未満?」

A
「…もういいです…」

そんなやりとりがなんだか少し楽しくて、子供の時に戻ったようだった

A
「お言葉に甘えて、送ってください
 …この前借りてたシャツ、返したいし…」

一虎
「ないと思ったら、持って帰ってたのか…」

A
「クリーニング出したりして、なかなか返せなくて…」

この日、トラくんにマンションまで送ってもらい、借りていたシャツを返すことになった

15→←守ってくれてたのはいつも…



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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか? (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年9月24日 15時

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