仲良しJUMP 10

だいき ページ18

大貴side



体がぶるぶると震える。

もう十分暑いはずなのに寒くて寒くて。

頭はぼーっとするし、鼻水も垂れそうになるし、耳の閉塞感もある。

観覧の人がなぜか今日は居ないからカメラさえ気をつければ何とかなる。そんな気分でいたけど、正直今カメラなんて気にしてる余裕なんてない。



光:「大ちゃん大丈夫？じゃないよね。支えとくから。あと30分頑張ろう。」



CMに入ったら声をかけてくれたひか。

それに出演者の方々の優しい声がしてるんだけどはっきりと聞こえなくて申し訳ない気持ちになる。



光:「大ちゃんそんなに寒い？震えてんじゃん」

大:「ん。めっちゃ寒くて…」

光:「寒い？そっか…」




ひかが背中をさする力を強めてくれたおかげで心なしかあったかくなった気がする。




光:「大ちゃん？大丈夫？」

大:「え？あ、ごめん…」

光:「ん？謝ることしてないよ？じゃ楽屋戻ろう」

大:「総括は？」

光:「出れるの？今から椅子にも座れない、立った状態で15分も立てる？」

大:「ん…大丈夫。」

光:「わかった。」




明日の予告を見て、総括。

ただただぼーっとしてたら終わったっぽい。

もう何が何だか分からなくて、次の番組に変わったのを確認して、その場にしゃがむしか無かった。



光:「大ちゃん！」

シェリー:「もぉー。無理しちゃダメじゃん」

光:「気分悪いとかはない？」

あさこ:「あっつ。人の身体じゃないみたい。」

渡部:「光、楽屋連れて行こう」

大:「すみません…大丈夫です。」

南原:「大丈夫じゃないでしょー。この仕事してたらこうなることも珍しくないんだから、みんな経験することだから気にせず甘えてよ」

光:「タイミングが悪かっただけ。ね？とりあえず楽屋まで頑張れ」



渡部さんとひかに支えられて楽屋へ行き、先に敷いてあった布団の上で横になるとそのまま床に吸い込まれそうな感覚で寝てしまった。

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