歳上だけど、妹のような【黄】

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Root side

みんなよく飲むなぁ…。
そんな様子を見ながら何となく友人たちの飲んでる姿を思い出す。
ジェルくんとかめっちゃ飲むって思っていたけど、実は世の成人男性ってそんなものなのかもしれないなぁ。
とはいえ、雅也にはもうしわけないが、今の空間より、飲まない自分としては気のおける友人との方がやはり楽しく感じてしまう。
今日の誘いドタキャンしてころちゃんとでも遊びに出かければよかった。
そんなできもしない後悔をひとつ。

きっと彼女も、そう思っているのではないのだろうか。
Aさんの方に目を向ければ、美味しそうにお肉を頬張っていた。
前言撤回。
彼女は彼女で今の空間をとても楽しんでいらっしゃる。


「ねぇねぇ、舞、あれ食べていい？」

「なになに？遠慮してんの？食べな食べな。」


舞さんに訪ねながら、健太さんから許可が下りれば、音符マークでも飛んでるんじゃないかと言うくらい嬉しそうに食べている。
着飾らないでこういった空間を楽しめるのは正直羨ましい。


「Aちゃんはさ、なんか趣味とかあるの？」

「趣味…？」


困ったように女性陣に目を向けた彼女。
他の人たちはそんな姿を微笑ましそうに見ていた。
彼女はきっとこの中で妹的キャラクターなのだろう。
甚だ保育士という職業が務まっているのか疑問だ。


「A、好きなもんあるじゃん！」

「え…。」

「ほらぁ〜。」

「えー…アニメとか…？音楽とか？」


女性陣は何かを言わせたかったのだろうが、彼女は無難な答えを返していた。
しかし、合コンとは話をつなげる場だ。
それで逃してくれるわけなどなかった。
この流れ、僕には向いて欲しくないなと願いながら話をきく。
ほんの少し興味があるのは自分も音楽に携わっているし、アニメもそこそこ観てるから。
そう言い訳をしながら。

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