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ASide
焦っているのは本当だった。
とはいえ、こういった場は得意ではない。
舞にひっつきながら頭を下げる。
あげた視線には男の人の期待するような視線。
そりゃそうだ。
相手からはこちらもそう見えているのだろう。
あわよくば彼氏・彼女を探しにくるような場で、拒否権を与えられていながら来ている時点で、いやいや言っていられる場ではない。
その中で一人、あまり興味なさげに見ている人が一人。
きっと彼は数合わせだろうな。
けれど、私は私の意志できた。
恋人が欲しい。
結婚したい。
あわよくば、仕事をやめたい。
目指せ寿退社。
そう思えば、少なくとも彼はないな、と視線をそらした。
やっぱり一番舞のそばが落ち着くからと隣に座ると、目の前の男の人にメニューを差し出された。
「俺らは先にドリンクは頼んだから、何か選びな。」
「あっ…ありがとうございます。」
受け取るといかにもおしゃれなカクテルたちの名前が並ぶ。
合コンでこのチョイスは女子からのポイントは高いのだろう。
「私カシオレ!」
「えー…私あんまりお酒得意じゃないからジンジャーエールとかでもいいですか?」
「お酒飲めないの?かわいいじゃん。」
「果実酒がいいなー…この桃のお酒で!」
「…Aは?」
舞の問いかけに即答はできず悩む。
惹かれるようなお酒があまりない。
まぁ無難に、とハイボールを指差した。
「これ。」
「うん。わかった。」
そう言って、舞は私の前を横切って注文ボタンを押した。
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唯凛(プロフ) - 蝉-セミ-さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけるように頑張ります!また見にきてくださるととっても嬉しいです(^^) (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» ありがとうございます〜!!ついに(?)新作出せました〜!宣言してからだいぶ経ちましたね…(汗) 相変わらずのんびり幸せの詰まったお話にしたいな〜と思いつつ、起承転結つけられるよう頑張ります! (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-セミ-(プロフ) - 好きです。(唐突)面白い上に文章が素晴らしくて尊敬します(´;ω;`)次の更新がとても楽しみです。失礼します。 (2021年12月4日 23時) (レス) @page13 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 新作おめでとうございます!そしてありがとうございます!笑 これからどんな展開になるのか…楽しみです!! (2021年12月4日 18時) (レス) @page13 id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年12月4日 16時