291 ページ26
Satomi side
強引にれいらちゃんを連れて行ったころんの背中を寂しそうな目で見つめ続けたAちゃんも、3分ほどしたら諦めたようだった。
な「じゃ、我々も帰りますか。」
り「てかころちゃんお金払わず帰った!?」
ジ「まぁええやん。このあところんの家やし。」
ぞろぞろとみんなが立ち上がる中、一人立つ気もない子。
さ「Aちゃん。行くよ。」
手を出して引き上げるが、力なさげに倒れ込んでくる。
相当酔っているようだ。
これは明日は本格的に無理だろう。
ほんの少し顔を覗かせた、デートを軽々しく捉えられていた気がした苛立ちを抑えて抱き抱える。
「…ごめんなさい…。」
きゅっとつかまれた肩と、耳元で小さな謝罪の言葉。
さ「何でこんなに飲みすぎちゃったの?珍しく。」
彼女は決して弱くはない。
飲み過ぎなんだ。
反省と今後のために問えば、震えた声で話し出した。
「だって……お話し…できそうな気がしたんだもん…。」
劣等感
戸惑い
焦り
願い
安心
さ「…お酒の力借りちゃった?」
こくりと頷く。
ころんのように詳しくは聞いてない。
それでも、さっきの会話で学校でも様々な人と関わっているのがわかった。
おそらく、そこで感じた話せないことへの苦しさ。
その中で願いもきっとより強くなったのだろう。
"初めてさとみくんに会った日、唯凛、泣きそうになりながら、さとみくんと話せるようになりたい、って言ったんだ。"
Aちゃんが俺に話してくれた日、ころん が言った言葉を思い出した。
苦しさは、願いは、きっと焦りになっていたのだろう。
ただ、その不安の中で焦りは強くなる一方で、予兆など無かったはずだ。
Aちゃんにとって安心する場として久々にみんなと会って、ってところだろうか。
そんなに焦らなくてもいいのに、なんてAちゃんのこの先を考えたら言ってられないことくらいわかっていた。
その気持ちが自分のエゴなことくらい。
さ「そっ…か。」
頑張ったね、って気持ちを込めてぎゅっと抱きしめ、先へ行ったメンバーの後を追った。
366人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯凛(プロフ) - 友達に腹黒ドSサイコパスと言われた…さん» コメントありがとうございます!こんな拙い文章でも読んでいただけるだけで嬉しいのに、好きなんてめちゃめちゃ嬉しいです…!ちまちまと書いていきますので、これからも読んでいただけますと幸いです(^^) (2022年2月2日 20時) (レス) id: 1a2f301bb5 (このIDを非表示/違反報告)
友達に腹黒ドSサイコパスと言われた… - こんにちは!更新されてる!大好き過ぎて…いや、『愛してる』って告白したいくらいこの作品好きで、毎日のように確認してました!グヘ、グヘへ〃´∀`〃((殴⊂`д´⊂これからも応援してます!!更新ゆっくりで大丈夫なので頑張ってください! (2022年1月31日 23時) (レス) @page47 id: 95427cdf5c (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - らいか。さん» コメントありがとうございます!無駄に長くなっているのに見返していただけてるなんて…!!まだまだ続きますが、読んでいただけたら幸いです。楽しんでいただけるものを書けるように頑張ります!! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - ぽわさん» コメントありがとうございます!大好きなんて言っていただけてとっても嬉しいです!読んでいただけるだけでも嬉しいのに、コメントいただけて本当嬉しいです。励みになります!かなりのんびり更新になっておりますが、これからも読んでいただけたらとても嬉しいです! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
らいか。 - こんにちは!この話大好きです!更新ないときも今までの見返してずっと待ってますね!これからもよろしくお願いします!頑張ってくださーい! (2022年1月23日 7時) (レス) @page45 id: 843b3dd826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯凛 | 作成日時:2021年11月2日 6時