290-3 ページ25
「…や。だめ。なーくん。」
思わずみんなが固まる。
驚きで酔いが醒めたのか、れいらちゃんも目を見開いて振り向いている。
それでもさすがというべきか、なーくんは驚いたのは一瞬、すぐにAに視線を合わせてくれた。
まるで、今まで当たり前に声を出していたように。
な「Aちゃん、1週間頑張ったでしょ?体もしっかり休めなきゃダメ。」
「いやぁ…。まだいるの。なーくん。」
さ「明日デートできなくなっちゃうよ?」
「デートも行く。なーくんたちもいる。」
どっちも欲しがり。
話せている喜びより先に思わず呆れる。
こ「A、わがまま言わない。」
「やっ!」
こ「や、じゃない。」
「れいらちゃん…。」
れいらちゃんに助けを求め出したA。
ずるいというかなんというか。
もはやれいらちゃんの弱点はAなのではないだろうか。
折角話せているのもあって、拒否できないれいらちゃんに追い討ちをかけるように袖を引いている。
「さとみくん…Aまだみんなと居たい。」
自分に甘い二人に言ってるあたり、こいつ、本当は酔ってないんじゃないだろうか。
明日のデートがおじゃんになりそうなのに、返答に迷ってるさとみくん。
まず基本的にみんなAに甘いから、もうこうなってしまえばダメだろう。
こ「はぁ…来れない人いる?あっ、でもれいらちゃんは帰るよ。飲み過ぎだし、普通に実家暮らしでしょ?朝帰りはいくら大人数でも心配させるからダメ。」
「やぁーれいらちゃんもぉ…。」
こ「A、それはだめ。それかもうみんなとバイバイか。どっちか。」
腑に落ちない顔をしながら反撃してこない。
まぁ納得させられたかな。
さとみくんにしがみつきながら僕のことを睨んでいるが、残念ながらお酒でトロンとした目で威力は0。
そんなAの盾になってるさとみくんに、僕の家の鍵を押し付けて、れいらちゃんの腕を引く。
れいら「うわぁっ!ちょ、ころんくん!?」
こ「はいはい、帰るよ。」
酔ってるせいでおぼつかない足取り。
いつもよりも近い距離に、ほんの少しの嬉しさもあり。
酔わせるのも悪くないかもしれない。
まぁ、僕の前限定だけど。
れいら「Aちゃん!また来週!みなさんもありがとうございました!」
律儀にお礼なんか言って。
後ろでAがぐずってる気がするけど知らないふりをした。
366人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯凛(プロフ) - 友達に腹黒ドSサイコパスと言われた…さん» コメントありがとうございます!こんな拙い文章でも読んでいただけるだけで嬉しいのに、好きなんてめちゃめちゃ嬉しいです…!ちまちまと書いていきますので、これからも読んでいただけますと幸いです(^^) (2022年2月2日 20時) (レス) id: 1a2f301bb5 (このIDを非表示/違反報告)
友達に腹黒ドSサイコパスと言われた… - こんにちは!更新されてる!大好き過ぎて…いや、『愛してる』って告白したいくらいこの作品好きで、毎日のように確認してました!グヘ、グヘへ〃´∀`〃((殴⊂`д´⊂これからも応援してます!!更新ゆっくりで大丈夫なので頑張ってください! (2022年1月31日 23時) (レス) @page47 id: 95427cdf5c (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - らいか。さん» コメントありがとうございます!無駄に長くなっているのに見返していただけてるなんて…!!まだまだ続きますが、読んでいただけたら幸いです。楽しんでいただけるものを書けるように頑張ります!! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - ぽわさん» コメントありがとうございます!大好きなんて言っていただけてとっても嬉しいです!読んでいただけるだけでも嬉しいのに、コメントいただけて本当嬉しいです。励みになります!かなりのんびり更新になっておりますが、これからも読んでいただけたらとても嬉しいです! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
らいか。 - こんにちは!この話大好きです!更新ないときも今までの見返してずっと待ってますね!これからもよろしくお願いします!頑張ってくださーい! (2022年1月23日 7時) (レス) @page45 id: 843b3dd826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯凛 | 作成日時:2021年11月2日 6時