この運命は恋ですか？ 4【桃】

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しかし、ご飯が出来上がってもAが上がってくる気配がない。
いつもならもう上がってくる時間。
焦って浴室を除けば、湯船で爆睡中のA。


さ「A！！」

「…！…あっ…寝てた…。」


叩き起こせばふにゃふにゃと笑うA。
笑い事じゃないくらい焦ったんだけど？
そう怒る気持ちを抑えて湯船がら出してバスタオルを渡す。


さ「心配するからほんとやめてよ。」

「ごめん〜。めっちゃ眠かったんだもん。」

さ「ご飯できてるから食べて早く寝な？」

「ありがと〜。」


これは明日も昼まで爆睡コースだな、と思わず呆れる。
脱衣所の扉を閉めて、出てきたらすぐに食べれるようにご飯を盛り付ける。


「ごめんね。ありがとう。」


ドライヤーもそこそこに出てきたAは、お皿を運ぶのを手伝ってくれる。


「…っ。」

さ「A？」


お皿を持って一瞬止まったように見えた。
何か変だ、と思ったが、何もないと席に座るAを見て、それ以上の言及は避けた。
下手に時間を使って休む時間を減らすより、早く休めるようにしたほうが良いと思ったから。


「いただきます。」


きちんと手を合わせて食べ始める。


「ん！美味しい！」


美味しそうに頬張るAを見て安心し、俺も食べ始めた。
しかし、美味しそうに食べ始めたのも束の間。
突然箸が止まる。


さ「どうした？」

「ん…何もない。」


口ではそう言うが、箸は一向に進まない。


さ「お腹いっぱい？」

「…うん。」


ここでやっとら明らかにおかしいことに気付いた。


さ「ねぇ、どうしたの？」

「…わからない。」


A自身が戸惑っているようにも見えたが、どうしても責めるみたいな物言いになってしまう。


「ごめ…なさいっ…。」

さ「食べれないなら無理しなくていいよ。明日休みでしょ？ゆっくり寝な。俺今日配信あるから先寝てて。」


そう促すと、寂しそうに箸を置いた。

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