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「いや、私はグリーンとブルーで迷ってて…。」
さ「やだ。ピンク。」
やだって…あなた何歳児ですか。
私より年上ですよね?
店員「ふふっ。試着してみます?」
さ「ピンクで。」
「嫌です!!ピンクなんて可愛いの絶対似合わない!」
店員「大丈夫ですって!」
何故か店員さんまでさとみさんの味方で、持っていたブルーとグリーンはラックに戻され、ピンクのシャツと共に試着室に押し込められた。
こんな可愛い色似合わない。
もっと地味で、目立たない様な…どちらかといえば寒色の方がいい。
外に来て行くものは特に。
それでも試着室に入った手前、試着もせずに出て行くなんて出来なくて、着替える。
壁が薄いせいで、店員さんとさとみさんが仲良く話しているのが聞こえて、何だかもやっとした。
店員「可愛い彼女さんですね。」
さ「いやー…こういうのもアレですけど、まじ可愛いっす。」
何言ってんのよ。
てか彼女じゃ無いし…。
…彼女じゃ無いんだよな。
今の私たちの関係って何なんだろう?
私たちの間に、恋とか愛とか好きとか愛してるとか、そういった類のものは存在しない。
利益関係…というのか、親会社と子会社みたいなもんだ。
アルファとオメガって、そういうものだと思っている。
何だかモヤモヤしたまま、着替え終わったので扉を開けた。
さ「…ピンク似合ってんじゃん。」
店員「とってもお似合いですよ〜!」
さ「これで。」
店員「畏まりました〜。在庫確認して参りますね。」
「ちょっ、何勝手に決めてるんですか!!」
店員さんはさとみさんの言葉にバックヤードに在庫を確認しに行ってしまった。
似合わない。
こんな可愛い色。
さとみさんを睨みつけたらぐいっと手を引かれた。
突然の行動に逆らえず、ぽふりとさとみさんの胸に飛び込む形になってしまった。
さ「俺の色。これ以外ダメだから。」
そう言って試着室に押し戻される。
俺の色ー・・・
ばか。知ってるよ。
さとみさんのメンバーカラー。
私がブルーを取り出した時、少し嫌そうな顔したのもみてたもん。
まるで俺の所有物とでも言われてる様な感覚。
マーキングする様な、鎖に繋がれている様な。
私は物じゃない。
そう思うのに、独占欲ともとれるさとみさんのその反応に、どこか満たされたような、嬉しい気持ちを持ってしまっていた。
ー・ー・ー・ー・ー
甘くすれ違い続ける感じ、好きなんです。
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唯凛(プロフ) - ひとりもんじゃさん» コメントありがとうございます!遅くなってすみません(汗) 聞きました〜!とっても可愛らしくて、書く前に聞かなくてよかったー、と少し思ってしまったり(笑) 楽しんでいただける絡みが書けるように頑張ります!のんびり更新ですが、気が向いた時に覗きに来てください! (2021年5月20日 18時) (レス) id: 8ae6a0dc9c (このIDを非表示/違反報告)
ひとりもんじゃ - 昨日の公式生放送でさとみくんがお母さんと話してましたよ!?(知ってたらすみません汗)唯凛さんのこの話を真っ先に思い出しちゃいました(笑)これからもかわいい絡み楽しみに待ってます!頑張ってください! (2021年5月10日 21時) (レス) id: 50e43e2779 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 緋菜さん» コメントありがとうございます!応援ありがとうございます。更新がとても遅くなってしまって申し訳ないです…。飽きずに楽しんでいただけるよう頑張ります。またみにきていただけると嬉しいです^_^ (2021年4月29日 19時) (レス) id: a48c991732 (このIDを非表示/違反報告)
緋菜 - いつも応援してます!とっても表現が可愛くて最高です (2021年4月22日 17時) (レス) id: d59f218d7b (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 由乃さん» コメントありがとうございます〜!更新・返信遅くなってしまってすみません(汗) 一番子供っぽい渾名を考えた結果こうなりました(笑) (2021年4月22日 7時) (レス) id: 106fb9cf69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年4月8日 22時