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さ「www嫌いって言いかけてどうして言い直したの。」
「…仮にもにぃにのお友達ですから。にぃにの好きな人を悪くは言えません。」
さ「お兄ちゃんのこと大好きなんだ。」
「…家族は大好きです。」
さ「へぇ〜。ころんってどうなの?あんまりお兄ちゃんしてるイメージないんだけど。」
「にぃには…どうと言われましても…。」
さ「優しい?もしかしてシスコン?」
「優しい…?優しいですよ。こんな私が妹なのに、文句も言わずに、私のことも大切にしてくれる。にぃにがシスコンっていうより、多分私がブラコンです。」
さ「そうなんだ。羨ましいけどなぁ、こんな可愛い妹。」
「かわっ…!…可愛くなんかありません。…それに、にぃには嫌だったと思います。今はともかく、昔は私なんか居なきゃよければって絶対おもったと思います。にぃにはそんなことないって言うけど。」
さ「なんで?まぁ俺は嫌だけど。Aちゃんが妹だったら番えないし。」
「妹じゃなくても番うつもりはありません。…私、未熟児で生まれたんです。生まれた時から人工呼吸に繋がれて何ヶ月か入院もして、母も父も、忙しいのに私のために毎日病院に来てくれて。でも…その間にぃには一人ぼっちだったんです。正確には祖父母の家に預けられてましたけど。にぃにだってまだ1歳にもなってないのに、両親との時間を私が奪ってたんです。」
…ん?待って。そもそもAちゃんっていくつだ?
ころんといくつ離れてる?
話を聞いていて疑問は生まれたが、Aちゃんは話し続ける。
「成長しても病弱で、学校だって数えきれないほど休みました。にぃにも甘えたい時期に、私が迷惑かけて、私ばっかり甘やかされて、それでもにぃには私のことを考えて、優しくて、守ってくれてました。高校の進学も、にぃにはもっと頭のいいところ行けたのに、私がオメガ性ってわかったから、私と同じところを選んでくれたんです。私がいなきゃ、にぃにはもっと自由な人生を送れていたはずなのに…。って、何で私あなたにこんな話して…。」
話しながら、Aちゃんは静かに泣いていた。
さっきまで、あんなに強気な目をしていたのに。
さ「そうやって強がって生きてきたんだね。」
そっと頬に触れて、涙を拭う。
今度は振り払われなかった。
「…強がってなんか…っ。」
拭っても拭っても溢れてくる涙の止め方を、俺は知らなかった。
それでも、泣いて欲しくなくなかった。
笑ってて欲しかった。
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夢花(プロフ) - フェロモン怖ぁ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル (2021年4月11日 23時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» 確認ありがとうございます。私のわがままを押し付けるような形で申し訳ありません。ぜひ、ログインされました際にはご期待に添えていればなと願います。いただいたお時間無駄にしないよう少しでも楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございます。 (2021年4月11日 9時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 読ませて、いただきました。ご丁寧に有難うございます!ログインしてみようかなと考えています。他の作品も楽しみにしています!これからも、頑張ってください。m(_ _)m (2021年4月9日 1時) (レス) id: 8208016f57 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - まっちゃさん» お手数をおかけしてしまいまして申し訳ありません。私自身がまだあまりうらツクのシステムを理解しきれておりません故…。ページに入れた際には楽しんでいただけたら幸いです! (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!他作品まで読んでいただけて、とても嬉しいです。 続きページの件につきましては、コメントに収まり切らず、本ページ内でお話しさせていただいております。ご一読いただけますと幸いです。 (2021年4月8日 22時) (レス) id: 01cd285b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年3月14日 22時