話したい8【桃】

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れいら「あっ！！」


勝手に操作して、連絡先を入れる。
アイコンまで僕じゃん。
ヘッダーも一言もミュージックも全部僕。
可愛すぎでしょ。


こ「ふふっ。全部僕じゃん。」

れいら「ーっ！！！…だって好きなんですもん…。」


また顔が赤く染まる。
今度は気分を良くさせてくれた。
ねぇ、その好きな人が目の前にいるんだよ？
分かってる？

あれだけ拒否してたくせに、わかりやすく僕の連絡先を嬉しそうに見つめてる。


こ「DMは僕返さないけどさ、LI○Eは絶対返すから。」


一応言ってみるけど、きっと連絡なんてしてこないの知ってる。
それでも、やっとるぅとくんと同じスタートラインに並んだ。

気分よくお弁当を抱えてAたちの元へ向かう。


れいら「持ちます！」

こ「べついいよ、このくらい。」

れいら「え？じゃあなんで私連れてきたんですか！？」


…馬鹿なの？
Aより鈍感？

ちょっとムカついたからジッとれいらちゃんを見つめる。
2秒で逸らされる視線。
握手会、どうやって耐えてんの？


こ「ねー、目、逸らさないでよ。」

れいら「無理です！！！」

こ「ねー、こっち見て？」

れいら「そんなキャラじゃないくせにぃ〜…。」

こ「…なんで、って、2人っきりになるためだよ。」

れいら「…え？」

こ「もう一生言わない。」

れいら「え、ちょ、聞こえなかったです！！もう一回！」

こ「やだ！」


多分本当に聞こえてなかったんだろう。
腑に落ちない顔をしてる。
そうやって、僕で頭をいっぱいにしてればいいよ。
みんなと来てるのに、みんなと話してたのに、今れいらちゃんの頭の中は僕でいっぱいなんだろう。
それがただただ嬉しい。


こ「あっ、そういえば、ちゃんと服着て来てくれたんだね。」

れいら「だって…着て来てってころんくんが言うから…。」


キョロキョロと視線を泳がせながら、手をイジイジと動かしている。
律儀に着て来てくれるの、本当いい子ちゃんだよね。


こ「めっちゃ可愛い。僕が言ったら本当なんでもやってくれそう。」

れいら「推しの願いを叶えるのがリスナーですよね。」

こ「やばwwww」


あっ、なんかいつも通りに話せてる。
今まで照れてるれいらちゃんを見て可愛いな、と思ったけど、普通に笑った顔も、ちょっと拗ねた顔も可愛い。
もっと色んな表情、僕に見せてよ。


こ「ほら、早く行くよ。」


パタパタと追いかけてくる。
僕はわざと足を遅くする。
もう少し、もう少しだけ2人っきりでいたいから。

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