話したい8【桃】

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まぁでもわからなくもない。
さとみくんからしたら今まで告いたかったことを我慢してきたんだ。
Aのために。
今まで何度となく気持ちを伝えたかったタイミングがあったのだろう。
その度にAが怖がらないように、嫌われないように抑え込んできた。
我慢に慣れた頭は、無意識的にストッパーがかかるようになってしまったんではないだろうか。

だからといって、ただでさえガキみたいなAが、恋愛経験値0で、告白なんてするわけない。
多分さとみくんが同じ気持ちなことすら気付いてない。
さとみくんから動かなきゃこの二人は多分何も変わらない。


こ「まぁさとみくんがいいならそれでいいんだけどさ。」

さ「…良くねぇよ。」

こ「良くないの？」

さ「付き合いたい。彼女になって欲しい。全部俺のものにしたい。」

こ「きも。」

項垂れるさとみくんを横目に、お茶を飲み干す。


さ「なー…どうしたらいい？」

こ「知らん。またデートでも誘えば？」

さ「適当かよ。」

こ「適当だよ。でも二人になるしかないじゃん。相手はAだよ？家で2人きり、これ逃したんならまた同じ状況作るしかないじゃん。」


外に出たら話せないA。
お家デートという選択自体は大正解だったのに、そこを逃してしまったらどうしようもない。
でも、家でタイミングが掴めないなら、どこかで何かシチュエーションを作るしかない。
2人きりになれる場所を作るしかない。

Aが自覚すれば落ち着くところに落ち着くと思っていた2人の恋は、案外遅々として進まないようだった。
なんというか、めんどくさい。


こ「じゃ。僕は帰るね。」

さ「…えー…帰んの？」

こ「ねぇ、めんどくさい彼女みたいな反応やめてくれない？」

さ「wwwww」

こ「Aの学校終わる時間だしね。…迎えにいくか。さとみくんも行く？」

さ「行く。」

こ「即答wwww」


Aに連絡だけいれて、学校へ向かった。

まぁこれでも2人のことは応援してるからね。
頑張ってよ、さとみくん。

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