話したい8【桃】

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れいら「きこえてないw」

こ「もーA。そんな顔するなら行けばいいじゃん。」


ころちゃんはそういうけど怖いもん。


れいら「そういう問題じゃないんですって！」

り「さとちゃんはドSだからね〜。わかっててやるときあるから。」

こ「びっくりしたぁ急に。」

り「ころちゃんは馬鹿だからいくら言ってもわかんないよ。」


莉犬くんがよしよしと頭を撫でてくれた。
ころちゃんは散々私が八つ当たりしたせいで、ちょっと面倒くさくなっているみたいだった。
そうは言ってもさとみくんが振り向いてくれないんだもん。
さっき照れて隠れちゃったのは私だけど…。


り「んーふふっ。おいで。」


莉犬くんがちょいちょい、と膝を指さしている。
乗れってこと…かな？
手を広げたら、莉犬くんも手を広げて私の体を引き上げようとする。
その時だった。


さ「莉犬。何してんの。」


来てくれた。


り「さとちゃんが目離すからだよ。」

さ「そこ俺の席。」

り「ね、れいらちゃん。さとちゃんめんどくさいでしょ？」

れいら「wwwwですねwww」

さ「れいらちゃん俺に対してだけ当たり強いし扱い雑すぎ。」

れいら「気のせいですよ。」



莉犬くんの元に行けなかった私は結局ころちゃんの膝の上。
れいらちゃんとさとみくんの距離が近いのが悔しくて、さとみくんがそばに来てくれたのに、そっちをみれなくてころちゃんに抱きつき直す。


こ「もー…さとみくん、めんどくさいからパス。」


抱きつき直したのに、無理やり組んでた手が離されて、さとみくんの上に座らされる。
ころちゃんを睨んだあと、さとみくんを見たら、優しい瞳。

さ「なーに。どうしたの？」


どうしたのじゃないもん。
さとみくんのせいだもん。
そんな思いでさとみくんに抱き付けば、大好きな甘い香りが広がって、どうでもよくなる。


こ「…もうご機嫌。」

れいら「かーわい。」

り「なんかそのさとちゃんの勝ち誇った顔妙にムカつく。」


そばに居たら満たされて、離れてしまえば不安で覆われる。
不安は嫌い。
怖いのは嫌い。
だからさとみくんにずっとそばに居て欲しい。
そんな究極のわがまま、声に出すことなんてできなくて。
言葉の代わりに、醜い独占欲に蓋をして抱きつく。

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