短編集【stxxx】

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早速開けて手首に振りかけていると、お花のような、ふんわりと甘い香りが僕の鼻腔に届く。


「いい香り〜。」

「うん。僕も好き。」

「えへへっ。じゃあころちゃんに会う時はいつもつけてくるね！」

「…うん。あとね、もう一つ。」


中に入っているものが想像つかないせいか、恐る恐る開けるA。

シンプルなデザインのピンクゴールドのリングネックレス。
指輪を渡せない僕の弱虫なところが出ていてほんの少し恥ずかしい。


「可愛い…！」


言葉を漏らした時は嬉しそうに笑ったくせに、すぐに唇を尖らせた。
彼女はそのネックレスを手に取り、チェーンを外した。


「え？」

「ん！」


指輪だけを僕の手に握らせて、自分の右手を差し出してくる。


「ころちゃんの意気地なし。」


どうやら全てお見通しのようだ。
受け取ったリングを彼女の薬指に嵌めてあげれば、満足気笑う。


「はい、行くよ。」

「はーい。」


間伸びした返事に僕の差し出した手をぎゅっと握ってくれる。
ずっと触れたかったから、何度も確かめるように意識する。

今から僕らは初デートをする。


ー・ー・ー・ー・ー・ー
あけましておめでとうございます。
今年も頑張って更新していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

さてさて皆様どのような年末年始を過ごされましたでしょうか？師走の疲れ、連休で取れましたでしょうか？
このお話、自分の誕生日に書いていたんです。途中まで(笑) 新しい年のお誕生日、ってことで新年にあげたかったのですが、色々諸事情で間に合わず…。これを最初に上げたいがあまりに他も手につかず…1番最悪のパターン(笑)
何とか書き上げました。従って早急に上げているので誤字脱字チェック未です。後日サイレント修正かまします。すみません。

このお話で出した"香水"。何故選んだかは、ころんくんに会う時はいつもつける、という決まりを作りたかったから。ここでは表現しきれなかったし、単発なので続きもクソもないのですが、この毎日彼女から香る同じ匂いが無くなる時ってどういう時？って考えた時にロマンチックだなぁ、と思って選びました。そんな大人な恋愛の雰囲気も味わっていただけたら。
ぜひ、お誕生日の日に読んでいただけたら嬉しいです。(1/1〜1/3生まれの方いらっしゃったらすみません…。)

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