話したい3【桃】

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さ「いいよ。好きなだけ見てて。」


動こうとした時、さとみくんが私の隣に来てくれた。


さ「俺がいてあげるから、満足いくまで見てな。」


さとみくんのその言葉を聞いて、ころちゃんたちは先に行ってしまった。
ありがとう、って言いたいけど、休日だから混んでるのか、沢山人がいる。
やっぱり思うように声が出ない。
だから、ぎゅって袖を握った。


さ「いいよ。楽しくなかったら旅行きた意味ないでしょ。」


さとみくんは優しく笑ってくれた。


さ「魚好きなの？」


魚が好き…というか、この神秘的な雰囲気が好きなのだ。
曖昧に頷くとさとみくんは笑ってた。
本当、見ててずっと飽きない。
あの魚が見てる世界はどんなものなのか。
今何を思って泳いでいるのか。
思考なんて存在しないのかもしれないけど、想像すると世界が広がる気がする。


さ「ほんと、見てて飽きない。」


うん、って頷いたら違うよ、って笑われた。


さ「Aちゃんのことだよ。水槽一つでこんなにコロコロ表情変えて。可愛い。」


可愛い、って言われるのは嬉しいけど、それは自分が可愛いと思っているときに嬉しいものだ。
服だったり、メイクだったり、髪型だったり…。
こう…ふいに言われるのはむず痒い。
でもあまりにもさとみくんが真っ直ぐ目を見て言ってくるもんだから、顔に熱が集中するのがわかる。


こ「まだ見てんの？」


すこし先に行ってたころちゃんたちが戻ってきてたみたいだ。
なんだか恥ずかしくて、さとみくんの顔がまっすぐ見れない。
ころちゃんの後ろに隠れて、覗き見するようにさとみくんをみると、何故だか嬉しそうに笑ってた。
揶揄われた？


こ「ちょっと、さとみくんうちのAになにしたの？」

さ「あははは。なーんもしてねぇよ。本当のこと言っただけ。」

こ「はぁ？…A？」


さとみくんと目が合った瞬間、さっきまで笑っていたのに、突然表情が柔らかくなった。
その瞳に近づきたくて、でも怖くて。
自分でも分からないくらいドキドキしてて、苦しいけど心地よかった。


ー・ー・ー・ー・ー・ー

またまた中途半端に終えてしまってすみません。
お話いっぱいになったので次へ移行します！

毎度のことながら、沢山の閲覧・評価・お気に入り・コメント、本当にありがとうございます！！

まだ終わりが見えていないので、そろそろ飽きられそうですが…笑
お暇な際にお付き合いいただけますと幸いです。

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