話したい3【桃】

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外に出たら寒かったから、マフラーと手袋を取り出してつける。


れいら「それ可愛いね、昨日もつけてた。」


さとみくんがくれたもの。
大切なの、ってきゅって握ると、何故か彼女はふわりと笑った。


れいら「それころんくんから？」


首を横に振る。


れいら「あれ、違うんだ。」


ころちゃんがくれたのはこれじゃない。
たまたま今日、ころちゃんがクリスマスにくれたジャンドレを着てたので、広げてみせる。


れいら「それをころんくんがくれたの？へぇ〜意外。」


意外なんだ…。
確かにころちゃん、ふりふりとかりぼんとか、あんまり好きでは無いけど。
いつも私にショートパンツ履かせたがるし。


れいら「ねぇ、ころんくんって優しい？」


唐突な質問だ。
でも、すぐ頷く。
ころちゃんはいつでも優しい。
私の味方でいてくれる。
ずっとそばに居てくれる。

またれいらさんは嬉しそうに笑った。


れいら「配信者さんとか芸能人とか、表しか見えない人を好きになるとね、裏ではどうなんだろう、私生活はどんなふうなんだろう、ってやっぱり少し気になるんだ。
ずるだとは思うけど、もし知れる機会があるなら、少しでいいから知りたいな、って思っちゃう。
これは素だよ、って言われたり、素が出たわ、って言われても本当かな？って。だって私たちには分からないから。」


それは分かる気がする。
私もアイドルが好きだから。
キラキラした華やかな世界の裏で、彼女たちがどんな苦労をしているのか、何を考えているのか、楽しく活動ができていると感じられてるのか、気になってしまう。
似たようなものなのかな？と思う。


れいら「だから、今Aちゃんがころんくん優しい？って聞いた時、迷わず頷いてくれて凄く嬉しい。私の好きな人は、いい人なんだ、って。胸を張って好きって言える人だなぁ、って思ったから。」


ころちゃんはいい人だよ。
優しい人だよ。
かっこいいんだよ。

そんな気持ちを込めて大きく頷いた。


れいら「ふふっ。Aちゃんも、ころんくんが大好きなんだね。」


うんって頷く。
少し笑えた気がした。

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