話したい3【桃】

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A side


3コマ目の講義も無事終わって、あとは課題を出すだけ。
はやくころちゃんに会いたい。
頑張ったね、って褒めてもらいたい。
急いで帰り支度を進める。


？「ねぇねぇ、Aさん、だっけ？年末くらいにさ、ショッピングモールいたよね？」


突然声をかけられた。
私？
顔を上げると、美人さんが立っていた。
大人っぽい顔立ちで、セミロングくらいの髪の毛、パンツスタイルで細身。


れいら「私、れいら。突然ごめんね。この前さ、Aさんのこと、ショッピングモールで見かけた気がしたんだよね。」


大学で話しかけられるなんてこと、そんなになかったし、ころちゃんもいないこの状況、当たり前のように症状が出る。
固まったまま、目だけが泳ぐ。
必要以上に瞬きが多くなってしまうのも、緊張からだ。
彼女が言ってるのは前にころちゃんたちとショッピングモールに行った時のことなんだろうけど…。

反応に困っている、というか固まってる中、彼女の持っている黒の鞄にチラリと青いキーホルダーが見えた。
どこかで見たことがあるイラスト…。


れいら「あれ？違った？でもAさんだと思ったんだけどな…。男の人6人くらいと一緒にいたでしょ？」


ぐいぐいと話を進めていくれいらさん。
とくに理由もない恐怖が襲ってくる。


れいら「それにさ、今日も男の子と手繋いできてたよね？」


怖い怖い怖い怖い。
助けてころちゃん。
わからない。声も出ない。嫌われる。嫌な気持ちにさせる。怖い。怖い。怖い。怖い。


れいら「ねぇ、一緒に来てたの、ころんくんじゃないの？」


ころんくん、その言葉で思い出した。
彼女のつけてるキーホルダー、すとぷりで活動してる時のころちゃんのイラストだ。
ってことは…リスナーさん？


れいら「私、すとぷりすなーなの。ころんくん推し。」


そう言いながらキーホルダーを出してくるれいらさん。


れいら「握手会とかライブとかも結構行ってるから顔知ってるんだよね。あの時いたのもメンバーのみんなでしょ？」

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