話したい2【桃】

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別のお皿にヨーグルトを移して、薬を混ぜてくころちゃん。


こ「はい、お薬飲んで。」

むっ、と口を紡ぐが、ころちゃんも引かない。


こ「あーんして。」

促されると勝てないんだ。
ころちゃんずるい。


いちごのヨーグルトの皮を被った薬が入れられる。
まじゅい…。
にがい…。

口を開けたままいやいや、と首を振るが、もちろん吐き出させてなんてくれやしない。


さ「頑張って。んー、ってお口閉じて、ごっくん。」


口の端を人差し指でぽんぽん、とされて、飲み込むように促される。


さ「頑張って、Aちゃん。ごっくん。」


促されるままに飲み込むと、くちいっぱいに苦いのがのこる。


こ「あーあーもー…薬飲んだくらいで泣かないの。頑張ったね。」

さ「えらいえらい。」


2人に褒められて、そのままヨーグルトも半分くらい頑張って食べた。


こ「さとみくん来てくれなかったら一生飲んでくれなかったかも。」

さ「あははっ。今までどうしてたの。」

こ「Aが飲み込むまで5分でも10分でも監視してた。」

さ「一生は嘘じゃねぇか。」


こ「でもマジで今までで一番早く飲んだよ。」


2人で仲良く話すのが羨ましくて、ずるくて、寂しい。
2人の間に入ろうと立ち上がろうとしたら、ふわ〜ってしてまた倒れそうになる。


さ「どーしたの？座ってな？」

さとみさんに腕を掴まれて、そう声をかけられたから、そのままぎゅーって抱きついて、さとみさんの上に座った。
やだよ。仲間外れにしないで。


さ「えっ、ちょ、えぇ！？」


あれ？ころちゃんに抱きつこうと思ったのに、いつもとは違う、甘くて優しい香り。
さとみさんの香りだ。
さとみさんの香りも好きだから、そのままぎゅって抱きついたままにすることにした。

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