話したい2【桃】

37-1 ページ6

Colon side
Aが熱を出した。
理由はまぁわかってて、僕があの日、Aに話をしてから1週間が経過した。
単純にストレスだ。
いろいろAなりに考えて、1週間頑張ったら、疲れが出たようだった。
病院にも連れてったし、とりあえず僕の家で寝かせてたんだけど、まー言うこと聞かない。
寝てな、って言ってもやだ、ってひっついてくるし、ご飯は嫌がる、薬も飲まない。
流石に水分はとって欲しいのに、口に含んだのを一向に飲み込まない。挙句に出そうとするし…。

リレー放送を控えてたけど、この状態のAを1人で放置するのは危険すぎた。
かと言って、休めるわけでもない。
僕自身の熱でも多少無理すればできる仕事を、こんな理由で放り出せない。

斯くなる上は他の誰かを頼るしかない。
なーくんに電話をかけようと思ったが、放送前で準備してるだろうから、さとみくんにかけた。
まさか来てくれるなんて思ってなかったけど、今のAには監視役が必要だ。


こ「A！いい子にしてて？」

「やぁ〜…」


高熱で自分でも訳がわからなくなっているみたいで、寒いし眠いけど、寂しくて、でもしんどくて、そんな感じなんだろう。


こ「僕これから仕事だからいい子にできる？」

「できないぃ…やだぁ〜。」

こ「もー、わがまま言わないの。」


僕にしがみついたまま、離れようとしない。


こ「ここに居てもいいけど、静かにできる？」

「できる。ころちゃんがどっかにいかないならいいこにする。」

こ「うん。いい子にしてたらさとみくんも後で来てくれるからね。」

「ほんと？」

こ「本当。だからしー、だよ？」

「ん。」

そう言って僕の膝の上で眠りだす。
まだ寒気があったみたいだから、しっかりお布団を被せてあげる。
この暖かさに僕が寝ないように気をつけないと…。

37-2→←36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す