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Satomi side
「こわ…かった…。さとみくん…助けてくれてありがとう。」
Aちゃんが、俺に対して言葉を発してくれた。
たまたまなのか、話せるようになったのかはわからない。
確認しようとしたら莉犬たちが来て、何か言おうとしてるようだったけど、また俯いて固まってしまったから。
莉犬に頭を撫でられてから、安心したのかいつも通りに戻る。
さっきの出来事がよっぽど怖かったのか、あれからずっと俺の腕にしがみついている。
男の人が横を通るたび、びくっ、と体が揺れる。
さ「大丈夫?」
ヘラッと笑って頷くけど、体が揺れるたびに、俺にしがみつく力が込められてるんだよな。
頼られてたり、安心させてあげれる立ち位置に居るのは嬉しいけど、こんなに怖がっているんだから、もっと早く、話しかけられる前に助けてあげれなかったのが悔やまれる。
さ「莉犬。」
り「なぁに?」
さ「Aちゃんの隣、居てあげてくれない?さっきからすれ違う人すれ違う人みんな怖がってる。」
り「良いけど…さとちゃんもころちゃんに負けず劣らず過保護だね〜。」
さ「はぁ!?怯えて可哀想なだけですー。」
まぁいいや、役得!とぴょんぴょん跳ねながら、Aちゃんの隣に行く莉犬。
り「反対の手は俺と繋ご?」
うん、と頷いて、Aちゃんの方から手を差し出す。
嬉しそうに笑った莉犬は、ぎゅっと繋いだ手をブンブンと振り回す。
り「て言うかさ、ころちゃんが悪いんだよ!ころちゃんが遅刻なんてしてるから!ころちゃん来たらもう怒ってやろう!」
拗ねるように口を尖らせて頷くAちゃん。
俺の腕を握っている手も、緩くなる。
莉犬が笑ったら、返事をするようにAちゃんが笑う。
さっきみたいな怯えた顔じゃなく、ちゃんと笑顔だ。
り「うん!やっぱAちゃんは笑ってる顔が似合うよ!可愛い。…ね?さとちゃん?」
こっちをみてニヤニヤしてくる莉犬。
あとで覚えておけよ。
莉犬が俺に流すもんだから、Aちゃんもじっと俺を見つめる。
この顔、視線…弱いんだよなぁ。
さ「うん。Aちゃん、可愛いよ。」
照れ隠しに頭を撫でると、Aちゃんの顔がほんのり赤くなっている。
俺にだけ
話してくれたこと
俺の時だけ
顔が赤くなること
…期待させるような反応
やめてよ
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唯凛(プロフ) - みなさん» はうぅぅぅってなってもらえて良かったです笑 夢主ちゃんの無意識行動に振り回されているのを書いててとても楽しいです! (2020年12月23日 9時) (レス) id: da8f58c85e (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 唯凛さん» なんか今回のきゅん展開、はうぅぅぅって来ました!自分でも何言ってるかわかりません笑 こちらこそよろしくです! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» なんだか大変なことになっております…! また、好きだと思っていただけるよう、きゅん展開に持ってけるよう頑張りたいと思います!今後ともよろしくお願いします!← (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 翠恋さん» はじめまして!コメントありがとうございます!楽しんでいただけましたなら幸いです。ちまちま更新していきます!完結できるように頑張ります!! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 葛葉さん» 夜眠れないと辛いですよね…。基本的にメンバーの皆さんに優しくされて、特に2人はでろでろにら甘やかしてもらえるよう書いてますので、ぜひ、また読みにきてくださると嬉しいです! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2020年12月16日 11時