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A side
今日はころちゃんたちとお買い物に行く約束をしていた日。
私の大学が終わった後、駅で集合して、メンバーの皆さんと、ショッピング。
…の予定だったのに、ころちゃんが来ない。
他のメンバーの方達はもう到着しているのに、ころちゃんは遅刻だ。
いつもと違って、見知らぬ場所で、たくさんの人がいて、ころちゃんが居ない。
だんだんと不安になってくる。
改札の前で、ころちゃんが来ないかきょろきょろと見張っているところだ。
さとみくんたちは、少し離れた場所で雑談している。
おいで、って言われたけど、ころちゃんを見つけたら一番に私が怒ってやるんだから、って思って待ってる。
何をそんなに生き急ぐのか、駅に居る人はみんな早足だ。
人酔いしそうになるし、電車が到着するたびに人混みに流されそうになる。
男1「おっと、お姉さん、大丈夫?」
突然知らない人に手を掴まれた。
心配している言葉とは裏腹に、顔はニヤニヤしていて、何だか気持ちが悪かった。
男2「可愛い顔してるじゃん。ねぇ、暇ならそこのカフェで少し休まない?」
もう1人の男の人に反対の手を掴まれる。
いやだ、って振り解こうとしても、怖くて動けない。
全部ころちゃんのせいだ。
ころちゃんが来ないから。
じわりと視界が滲む。
涙は出るのに、声も出なければ体も動かせない。
男1「泣かなくても、ちょっとお茶するだけだってー。」
男の人の力になんて敵わなくて、改札から離れていく。
ちらっとさとみくん達がいる方を見たけど、人混みで視界が遮られている。
向こうから私の方も見えないだろう。
誰か助けて。
心の中で叫んでも聞こえるわけがない。
諦めて、手が離されたらころちゃんに居場所を送ろうと思った時、パシッ、と私の右手を掴んでいた男の人の腕が掴まれる。
男1「え?」
さ「何してるんですか。離してください。」
驚いて男の人が手を離した隙に、さとみくんが私の腕を掴む。
引き寄せられれたときにふわりと香る甘い匂い。
さとみくんの匂い。
男2「んだよ…男連れかよ。」
さとみくんに引き寄せられた方と反対の手が乱暴に投げ捨てられる。
「いたっ…。」
さ「うるせぇ。さっさと消えろ。」
いつもより低くて威圧感のある怖い声。
男達は舌打ちをして逃げていった。
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唯凛(プロフ) - みなさん» はうぅぅぅってなってもらえて良かったです笑 夢主ちゃんの無意識行動に振り回されているのを書いててとても楽しいです! (2020年12月23日 9時) (レス) id: da8f58c85e (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 唯凛さん» なんか今回のきゅん展開、はうぅぅぅって来ました!自分でも何言ってるかわかりません笑 こちらこそよろしくです! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» なんだか大変なことになっております…! また、好きだと思っていただけるよう、きゅん展開に持ってけるよう頑張りたいと思います!今後ともよろしくお願いします!← (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 翠恋さん» はじめまして!コメントありがとうございます!楽しんでいただけましたなら幸いです。ちまちま更新していきます!完結できるように頑張ります!! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 葛葉さん» 夜眠れないと辛いですよね…。基本的にメンバーの皆さんに優しくされて、特に2人はでろでろにら甘やかしてもらえるよう書いてますので、ぜひ、また読みにきてくださると嬉しいです! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 1207a2e123 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2020年12月16日 11時