親代りがゆごじぇな件について

気づかないでいたかった件 ページ47

「ん、掃除終わった」



二人ともお仕事でいない土曜日



いつも通り掃除と洗濯を終えて、一息ついた頃



少し、魔が刺した、というか



二人の部屋を覗きたくなった



いつもは掃除しなくていいよって言われてるから入る機会も無かったし、なんとなく入っちゃダメな感じがしたから、なんやかんや一度も足を踏み入れたことは無かった気がする



でも今日は速く掃除終わらせたから二人の部屋掃除する余裕ができたし……ちょっと掃除機かけるだけだし……と自分に言い訳をしながら、ドアノブをかちゃりと回す



掃除機の電源を入れて、きょろきょろと中を見ながら歩き回る



もう大分打ち解けたし、なにか如何わしい本とかあっても笑ってスルーできる！今の私にはそれができる自信がある！



そう思ってぐるりと部屋を一周眺めてみるけど、
いつも私が使わせてもらってる部屋となんら変わりはない



……変わりは、ない？



「……え？



ベッド一つしかなくない？」



二人で寝るにはいささか小さいベッドが、ポツンとひとつあるだけ



布団を敷くスペースは、この部屋にはない



てことは、二人で、この狭いベッドで寝てたってこと……？



「いやぁ、流石に……」



それは仲良いのレベルを越している、というか



「幾らシェアハウスする程仲良いっつってもね。限度が……



あ、なんか落としちゃった！」



落ちた物が掃除機に吸われないように、慌てて掃除機の電源を切って、それを拾おうとしゃがんだ



「これ……二人の写真？」



床に落ちたのは、数枚の二人の写真だった



わざわざ2Lの大きさに現像されて、しかもカバーまで付いていて



写真の中で一緒に笑い合う二人は、まるで……



『あの二人って、付き合ってるのかな』





思い返してみれば、確かに距離感がおかしいことなんてザラにあった



ジェシーさんが優吾さんを見る目が、



優吾さんがジェシーさんにかける言葉が、



明らかに他とは違ったことも



二人がどこか自然豊かなところで、手を繋いで笑い合う写真を持ったまま、ずるずると床にしゃがみ込む



この二人が、もし、もしも、本当に恋仲なのだとしたら



二人にとって



「私は……」




あーあ、もういっそ



気づきたくなんて無かった

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