第二十二話 貴方と同じ ページ24
どこか神妙な面持ちでゆっくりと頷いたコネシマさんを見て、私は出来るだけ落ち着いたトーンを作り話し出す。
『僕の父は単身赴任していて、年に1回帰ってくるか来ないかくらいの人でした…物心ついたときにはもうその生活だったので、父と会える正月の期間は貴重なものでした』
…ま、このくらいなら家庭によっちゃ普通にある状況だと思う。問題はこの後。
『僕の母はそれをいいことに、僕が中学せ……13になったときくらいから知らない男の人を家に連れ込むようになったんです』
コネシマさんの目に理解の色がさしていく。
kn「浮気、か」
『はい。僕はその男の人がどうしても好きになれなくて。顔を合わせたくなくて、父が趣味にしていたパルクールにのめり込むようになっていきました』
kn「パルクールって何や」
体を使って色んな物で自由自在に遊ぶことです、と簡潔に答える。本当はもっと奥が深いものだけど…今は関係ないから省こう。
『僕と母のために仕事をしてくれている父が可哀想で、僕は父を喜ばせたくてパルクールを死に物狂いで練習しました…でもある時両親が話しているのを聞いて、偶然知ってしまったんです』
私は顔を伏せて小声で言った。
『父も赴任先で浮気していて、父も母もお互いにそれを容認していることを』
kn「なっ！？」
コネシマさんが驚愕の声を上げる。
『…気持ち悪かったんです、歪んだその関係が。吐きそうなくらい嫌で…実際何度も吐きました。幸か不幸か父はお金は入れてくれていたので、知らないフリでいれば僕も表面上は普通の子みたいに過ごせましたが。どちらにせよ、気づいてしまったんです』
じっとして動かないコネシマさんに微笑する。
『僕と親はただ血が半分繋がっているだけ。ましてや父と母なんて、紙ペラ1枚きりの繋がりしかない赤の他人。家族愛なんて繋がりの歯車が噛み合わなければ生まれるわけない』
コネシマさんが苦痛の表情を浮かべた気がした。
『僕はそれで拗らせちゃったんでしょうね。そんな僕と楽しく話してくれる唯一の友人が月奈…a国に奪われた親友なんです。僕は彼女を取り戻す力が欲しくてゾムさんとショッピさんにここへ連れてきてもらいました。戦い方を知らない自分を、軍人にするために』
喉が締まって、声が掠れる。掛け布団を強く握りしめた時、ふわっと温かい物に包まれた。
kn「根本的な部分は俺と同じやってんな」
細い声で呟いたコネシマさんの腕の中で、私の視界は涙でぼやけて見えなくなった。
第二十三話 頼りになる先輩→←第二十一話 愛のありかを知らない人
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RURU - あああああ好きです(好きすぎて発狂) (2021年1月10日 15時) (
レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 今まで読んできた中で総統の目を「ルビーを王水に溶かした」って表現してるの 初めて 好みすぎた (2020年11月23日 22時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん1 - あ、これ、聖女が夢主ちゃんパティーンですね！！うん！知ってた！！(長年の勘(約五ヶ月))月奈ちゃんが限界オタクなら辛いんだろうな(スマホを持ってない場合)うおおおおお！早く二人が再会して元の世界に戻れることを祈りまああああす！(近所迷惑) (2020年10月28日 2時) (レス) id: 4fdb0260c0 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 主さんがジャンピングスライディング土下座をするならば私はジャンピングスライディング焼き土下座ダ！！（何競ってんねん（主さんすみません）） (2020年10月27日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
暇人な名無し(プロフ) - レイさん» それな！？(ジャンピング&スライディング土下座) (2020年10月27日 20時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年10月18日 10時
