保育代行三十八話目 ページ41
「A、こっち終わったで」
『あ、ありがと。助かる』
「いやいや、洗い物くらいさせてや」
お昼ご飯の片付けを終えてくれた捏島が、手を拭きながらリビングへ戻って来る。もう一度お礼を言った後、私は自分の荷物の中から何枚か布を取り出した。
『さてさて、それではやりますかね』
材料だけはもう計り終えて準備してあるし、すぐに作業に取り掛れる。気合いを入れていると、捏島が私の手元を覗き込んで来た。
「何やそれ。布巾か？」
『失礼な。こんなに素敵な質の布地を布巾になんて出来ないよ』
「じゃあ何やねんその厚みは」
不思議そうに首を傾げる捏島に微笑みかけ、私は子供達に布を一枚ずつ渡して行く。
「これなぁに？」
『ふふっ、広げてご覧』
「……ああ、これエプロンなんか！持って来たん？」
『そう。皆とお菓子作りするなら、折角だし使ってもらおうかなって』
そう言いながら、自分でも一つ身に付ける。何を隠そう、これらは全て私の手作りである。どれも暇だった時に祖母から貰った布で作った物だ。何故子供用のもあるのかと言われれば、ノリで作りましたとしか言い様が無い。使うなら今日しかないと思って持参してしまった。
『てな訳で、はい。これ捏島の分』
「え？俺も？料理とかばり下手やけど」
『私が居るんだからそうそう失敗しないっての。一緒に作ろうよ、お菓子』
「…そこまで言うんやったら」
ちょっぴり照れくさそうにエプロンを受け取った捏島にクスリと笑いながら、子供達の体の後ろの紐を結んでやる。
「Aちゃん、なにつくるの？」
『今日はですねぇ、チョコチップ入り塩バタークッキーを作ります』
「ちょこ…ち？」
『しょっぱくて甘いクッキーだよ』
「へー…へんなの」
「おいしいんすか？」
口々に疑問を顕にする三人に『勿論美味しいよ』と言い、石鹸で手を洗ってもらってから台所から三つのジッパーに入れた材料を持って来る。
『じゃあこれを揉み揉みして下さい！』
「はーい！」
ジッパーの中で下準備をするのはボウルで混ぜるよりも楽だし、手も作業場も汚さずにタネを作る事が出来るのが良い。型抜きまでにベタベタ触らない分そこそこ清潔でもあるし、それでいて楽しいという良い事だらけの作り方なのだ。
「クッキーってこんなんで作れるんやな…知らんかったわ」
『世の中には楽チンレシピがあちこちに転がってるからね』
感心した様に言う捏島にそう笑いかけてから、「できひん…」と拗ねているゾムくんの助けに向かった。
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ゆんゆん - っはぁぁぁぁぁぁ〜……日々のストレスが浄化される… (2022年8月27日 1時) (
レス) @page19 id: 92722fc768 (このIDを非表示/違反報告)
ハレル - ｴｯ､ﾏｯマ・ジ・デがわいぃぃぃぃ (2021年10月16日 10時) (レス) @page16 id: 58776279bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - ちょ、え、あ、んぇ？可愛いんですけど、え、可愛いんですけど、ひええ(死) (2021年7月3日 13時) (レス) id: 0688babc69 (このIDを非表示/違反報告)
羽具(プロフ) - 可愛すぎる！！knさん可愛すぎる！！かわいいのいっぱい死ぬ！！！ (2021年7月3日 12時) (レス) id: a3fd2bf9c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最 ＆ 高 (2021年6月28日 23時) (レス) id: 12efeb13d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年5月30日 18時
