保育代行三十六話目 ページ39
「……出任せ」
『うん。子供に対して平然と嘘つくのもどうなのかなとは思ったんだけど、ゾムくんなかなか頑固そうだから』
それに、下手に『良いよ』とか約束したとして、もし元に戻った時にその記憶があったらどうしようも無いでしょ。そう言えば、捏島は「確かになぁ…」と頷いた。
「あいつあんな奴やけど、根は真面目やからな……「責任取るから結婚しよう」とか言い出しかねんもんな」
『あははっ、別に何をされた訳でも無いし、ただ気まずいってだけだけどね』
「いや、気にする所そこちゃうやろ」
捏島はアホかお前、と言いながら私の頭に軽くチョップを落として来る。嫁入り前の娘に何て事をしてくれるんだ。
「結婚しようとか言われても困るやろって言うとんねん」
『あ、あー…成程』
「何やその反応。嫌やないんか？」
『うーん、何て言うか……』
逆に捏島は、結婚に否定的なイメージでも在るのだろうか。……両親のせい…とかでは無いと思うけれど。何故か急にムスッとして私を見る皺の寄った眉間をツンとつつき、考えながら言った。
『結婚自体は素敵な事だと思うよ』
「微妙に曖昧やな」
『んー…だから、人生何を経験するにも相手次第…的な？義務感に迫られるよりも、お互いに共に暮らしたいと感じる人と添い遂げる方が幸せでしょう？』
だから、そんな顰めっ面をして居たら掴める幸せも逃がしちゃうよ。そう言うと、捏島は頬を弛めてフッと笑う。
「幸福の最大化？」
『ちょっと違うけどまあそういう事で良いよ』
私には、小難しい政治思想の話は理解出来ないからね。捏島はいきなり悪戯っぽい笑顔になると、そっと私の横髪をひと房指に絡めて囁いて来た。
「なら、お前は一緒に居って楽しい相手となら付き合いたい思うねんな？」
『へ？』
か、顔が近い。整った捏島の顔面は、その辺の道を通過して行く一般人には刺激が強い。そんな事よりも……私の妄想のし過ぎかも知れないけれど、今のじゃまるで捏島が私にプロポーズしているみたいじゃないか。揶揄うのも大概にして欲しい。
『ま、まぁそうなるね…？』
「ふぅん？」
ニヤッとした捏島の真意が解らず、ただ私だけがドギマギしているみたいなのが悔しかった。耳が熱いのを自覚しながら、両手で捏島の頭を遠ざける。
『〜〜っ、言いたい事在るならハッキリ言えよ馬鹿』
ここ公園だぞ？公衆の面前で何て事するんだ、教育に悪い。私は捏島に一つデコピンをして、鉄棒の方に居る天乃達の方へ逃げる様に駆け寄った。
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ゆんゆん - っはぁぁぁぁぁぁ〜……日々のストレスが浄化される… (2022年8月27日 1時) (
レス) @page19 id: 92722fc768 (このIDを非表示/違反報告)
ハレル - ｴｯ､ﾏｯマ・ジ・デがわいぃぃぃぃ (2021年10月16日 10時) (レス) @page16 id: 58776279bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - ちょ、え、あ、んぇ？可愛いんですけど、え、可愛いんですけど、ひええ(死) (2021年7月3日 13時) (レス) id: 0688babc69 (このIDを非表示/違反報告)
羽具(プロフ) - 可愛すぎる！！knさん可愛すぎる！！かわいいのいっぱい死ぬ！！！ (2021年7月3日 12時) (レス) id: a3fd2bf9c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最 ＆ 高 (2021年6月28日 23時) (レス) id: 12efeb13d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年5月30日 18時
