保育代行二十三話目 ページ25
「…眠ないとか言うとった癖に寝よったやん」
『子供ってそういうモンだよ』
すやすやと三人がベッドの上で寝息を立て始めたのを見て、呆れた様に捏島が呟いた。肩を竦めて返せば、「ほえー」なんて不可解げな声を出す。
『ま、何だかんだ疲れるんじゃないの？懐かれてるとは言え、この子達にとっては私達は本物の親じゃない他人なんだし』
「…本物の親じゃない、ねぇ……確かにせやな」
私の言葉が引っ掛かったのか、少し考え込んだ捏島に首を傾げる。捏島は「ああ、何でも無いで」と小さく手を左右に振った。何か捏島自身思う所があったりするのかも知れないし、尋ねたりはしないが。
『それより、捏島も疲れてない？私らもこの時間に休憩しとこうよ』
そっとベッドから腰を上げてそう誘えば、捏島も頷いて立ち上がった。
「それもそうやな。俺はその…午前に少し寝とるからまだアレやけど、Aは働きっぱやろ？座っとき」
『いや、言うて私も捏島が寝てた時は動いてないけどね』
「ええからええから。リビングテーブルんとこ腰掛けとけ、茶でも淹れるわ」
そう言って自信満々にずかずか台所へ入って行った背中に、揶揄う様に声を掛ける。
『捏島、ちゃんとお茶の淹れ方知ってんの？』
「た、多分大丈夫……」
『あははっ、それは不安』
「喧しいねん！そんくらい俺にも出来るわ！！」
じゃあ信じとく、と大人しく待っていれば、捏島はお盆に二つのカップとティーポットを載せて運んで来た。
『アンバランスかよ』
「素手で持ったら熱いやん」
『いや、和洋の混ざり具合的な意味で』
「……一気に運べそうなのこれしか無かってん」
…さいですか。二人で一頻り笑ってから、熱い紅茶を啜る。どこの茶葉だろう、美味しいな…なんて思っていると、不意に横に居た捏島が口を開いた。
「何か、ガキっていつでも全身全霊をかけて生きてます〜って感じやんか」
『ん？うん』
「それってやっぱ、自分は親に保護されてるって本能的に感じとるからやと俺は思うねん」
『ほう』
「そういうのって、ええよな」
ぽつんと出された羨望の一言が、変に心に刺さった。…捏島は、親という存在に憧れでもあるのだろうか。
『……じゃあさ、私達があの子らにそれを与えてあげようよ』
「え？」
『愛情を。…“親”みたいに、さ』
独りぼっちの寂しさは、私も良く知っている。だけど、他人に愛をあげられないなんて事は無いから。そう言えば、何故か優しく微笑んだ捏島にいきなりぐいと引き寄せられた。
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ゆんゆん - っはぁぁぁぁぁぁ〜……日々のストレスが浄化される… (2022年8月27日 1時) (
レス) @page19 id: 92722fc768 (このIDを非表示/違反報告)
ハレル - ｴｯ､ﾏｯマ・ジ・デがわいぃぃぃぃ (2021年10月16日 10時) (レス) @page16 id: 58776279bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - ちょ、え、あ、んぇ？可愛いんですけど、え、可愛いんですけど、ひええ(死) (2021年7月3日 13時) (レス) id: 0688babc69 (このIDを非表示/違反報告)
羽具(プロフ) - 可愛すぎる！！knさん可愛すぎる！！かわいいのいっぱい死ぬ！！！ (2021年7月3日 12時) (レス) id: a3fd2bf9c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最 ＆ 高 (2021年6月28日 23時) (レス) id: 12efeb13d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年5月30日 18時
