【wrwrd】もしかしてお前、転生初心者？

7 新顔さん ページ7

zm「帰ったでー！」

『えっちょ、あの…』

何の躊躇も無くズンズン拠点に入っていくゾムさんに面食らう。いや、私部外者だからこんな堂々としてちゃダメなんじゃ…？抗議しようにも、ゾムさんにがっつり手を繋がれているから離れるに離れられないのだが。

〔新顔だ！あんた誰？〕

『ふぁっ！？』

嘶くような鳴き声が聞こえ、反射で奇声を上げながらそちらを見る。興味津々といった表情で私を眺めていたのは、毛並みの美しい立派な馬だった。

『え、えと…Aです。ゾムさん、ここお馬さんも飼ってるんですね』

zm「ん？せやで。こいつはひとらんの愛馬や」

ひとらん、さん。…何だろう、聞いた事あるような……思い出せないけど。うーん、と悩んでいると、お馬さんは不服そうに鼻先で私の上腕を押してくる。

〔お馬さんじゃない、俺にはちゃんと外道丸って名前があるんだからな！〕

誇るように胸を張ったお馬…外道丸が自慢げにふんと息を吐く。

『へぇ、お前外道丸って言うのか。大事な人から付けてもらったんだな』

〔そりゃそーだ！ひとらんらんは、俺の最高のご主人様だからな！！〕

『そっか。外道丸はご主人様が大好きなんだね』

〔…お前、分かってるじゃねぇか〕

照れたのか、嬉しそうにそう鳴いて私の顔を舐める外道丸。何かザラザラしてて擽ったい。

zm「……外道丸が懐くとか珍しいな。そいつ、結構警戒心強いんやけど」

『…そうですか？何か気さくな兄ちゃんみたいな感じですよ』

zm「…そうか」

ふぅん、とフードの奥でスッと目を細めたゾムさん。その向こうから、誰かが走ってやって来た。

???「おいゾム！何で昨日帰って来んかったんや心配したやろ！」

…声がでかい。鼓膜がいかれそうだ。あまりのボリュームに唖然としていると、近くに来たその人が私を発見して驚いたような顔をする。

???「え」

ゾムさんと私を交互に見比べたその小柄な和服の人は、目をパチクリさせていた。

〔お兄ちゃん！〕

仔牛は喜んで駆け寄って行く。外道丸が私の耳元で小さく鳴いた。

〔A〕

『何？』

〔あれロボロ。天の紙の下は、俺も見たこと無い〕

『ロボロさんね。あれがデフォなんだ』

外道丸と会話を始めた私を見て、和服のお兄さん…ロボロさんはますます不思議そうな表情になる。それを見たゾムさんは愉快そうに笑い出した。

rb「え…外道丸と話して……てか何でここに？」

zm「拾った」

rb「…そか」

私の方を向くと、ロボロさんはこてんと首を傾げた。

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