【wrwrd】もしかしてお前、転生初心者？

13 歳月 ページ13

tn「……」

黙り込む兄に、人差し指を突き付ける。

『兄ちゃんが居なくなってから日本では二年経ったって言ったよね？さっきのチーノの証言から計算すると、十六年って事になるんだけど？』

詰め寄って捲し立てれば、兄は俯きながらそっと呟く。

tn「…合っとるで。過ごした日付けを計算する限り、俺とグルさん、オスマン、シャオロン、コネシマはここに来てからもう十六年や。Aも、とっくに大人になっとるんやろうと思っとった」

ちらりとシャオ兄を見れば、嘘はついていないよとでも言うように首を振る。

『…兄ちゃん、その割に見た目変わってないよね。グル兄もだけど。シャオ兄も、年齢に行方不明の年数足したような見た目じゃないし』

tn「あー…それは、な？」

訊いた途端、皆は歯切れ悪そうに視線を逸らし始める。何なんだ。眉根を寄せて兄を見つめると、ちょんちょんと横から控えめに肩を叩かれる。そこにはロボロさんが立っていて、ロボロさんは私に口を近づけて囁いた。

rb「あんな、俺ら何回も死んでんねん……この世界の中で」

『…っは！？』

訳が解らずに叫ぶと、ロボロさんは小声で続ける。

rb「俺らも何回か経験してから分かったんやけどな、この世界では人間て案外簡単に死ぬねん。けど、目が覚めれば家のベッドの上で、体もすっかり元通り。転生と言うか、死に戻りに近いかも知れんけど…記憶はずっと残っとって、自分がリスポーンしても周りの時間はちゃんと進んどんねん」

『…ふぅん。変な世界ですね』

兄を見ても、「めっちゃ死んどるんよとか言えへんやん」と肩を竦められるばかり。

zm「おいロボロ！何でホイホイ言ってまうねん！」

ゾムさんがロボロさんの頭を掴んでユサユサとする。ロボロさんは平然として言った。

rb「どうせいつか言う事やろ。それに、知らずに死んでリスポーンしたらビックリするやん。教えておいた方がショック少ないやろ」

sha「ほんま心無いな」

rb「何でや！寧ろ温かな心遣いやろ！？」

…うぅん、賑やか。苦笑すれば、ショッピが私の制服の裾を引く。

syp「A、飯。空腹状態続いても死ぬっすよ、ここは」

『マジか』

流されるままに食卓に座ると、ロボロさんが自慢げに胸を張った。

rb「遠慮無く食うてええよ！俺が作ってん」

『はぇー美味そう。いただk…むぐ！？』

手を合わせて挨拶しようとすれば、チーノが唐揚げを口の中に突っ込んでくる。

tn「……おいチーノ」

兄が思いっきりチーノの手首を握った。

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