30 輪廻転生 ページ30
その昔…ガウタマ・シッダールタという1人の青年は、此の世は苦しみに満ちており、生きるという事は苦しみなのだと説いた。後の仏教の開祖である。
いのちというのは美しい。その場限りであるからこそ、余計に。生き物は時間が経過すればする程醜く朽ちて行く。しかし、だからこそのいのちの輝きを持てるのだ。
ここは、時間という概念から取り残された果ての世界"World"。彼らの時は、
─────────────
私がこの世界に来てはや五年。何度かしくじったりしたが、やはり「死ぬ」には至らなかった。気付けばまたベッドの上で目を覚まし、何事も無かったかのように再び皆に合流する。
kn「今回はどうしたんや」
『洞窟内でボケッとしてたらスケルトンに射抜かれた』
kn「相変わらず絶妙にアホやな」
『孝行くんは私を何だと思ってるのさ』
私はもう初心者じゃないってば。クスクス笑う孝行くんを睨みつつ、また洞窟まで行くのは面倒だしとキッチンに向かう。ろぼくんが私が来たのを見て嬉しそうに声を上げた。
rb「Aちゃん！昼飯仕度するぅ？」
『うん。いつも手伝ってくれてありがと』
rb「いやいや、俺だってスキル使いたいやん。料理好きやし任しとき」
そんな会話をしながらキッチンで作業をしていれば、ぞろぞろと外から同棲している仲間たちが帰って来る。リビングに立ちこめる美味しそうな食事の匂いを嗅いで、希くんは顔を綻ばせた。
『さ、ご飯にしよう』
tn「今日も美味そうやな…」
gr「ああ」
グル兄が座るのを見て、私たちも机を囲んで手を合わせた。
──────────────
いただきまーす！と元気の良い声が響く、大きな家。彼らは皆幸せそうで、満ち足りた笑顔をしていた。
ひたすらに同じいのちを繰り返し、嫌が応でも生きなければならない世界。死ねない「命」というのは、果たして幸せなのだろうか？
抜け出す事の出来ない、永遠のループ。彼らは今日も、シアワセに「日常」を過ごす。
変わらぬ容姿、廻る命。この世界の理不尽に、いつか誰かが気付くだろうか。
知らぬが花とは、良く言ったものだ。無知とは称えられるべき存在。花は無知でこそ美しいのだから。
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ねこ娘(プロフ) - 初めまして！本当にマイクラの世界で生活してるみたいでドキドキしちゃいました！マイクラの世界って何も知らずに入り込んでしまったらこんな感じなんだろうな、、すごい新鮮で読んでて楽しかったです！tnのお兄ちゃん感もめっちゃ好きでした笑完結お疲れ様でした！ (2021年2月2日 20時) (
レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きなお話だったので、完結が少し寂しく思ったりもします…次のお話、楽しみにしてます！ (2021年2月2日 9時) (レス) id: 1755ed01f2 (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。完結おめでとうございます!!とても面白かったです!!新作楽しみにしてます。 (2021年1月31日 23時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» 解りづらい表現だった事をお詫びします。本文に説明を付け足させていただきます…！ (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - Aliceさん» ご指摘ありがとうございます！私の記憶が正しければ、倫理用語として使う時には「りんねてんしょう」と読むのが正しかったかと思います。どちらの読みも有り得る言葉ですが、宗教的な話がしたかったのであえて「てんしょう」をチョイスさせていただきました。 (2021年1月31日 15時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
