志摩さんといっしょ

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『その気が無いなら期待持たせないでください。…だからずるいって言ってるんですよ、』





志｢でも、愛しいって思った。｣





『え？』





志｢…愛しいと思ったから、いま抱きしめてる。｣





好きかどうかは置いといて、愛しいと思ったから。って正直に伝える。




…最低だなぁ、俺。





『…じゃあ付き合ってください。』





志｢じゃあの意味がイマイチ分からない、｣





『もういいです！…寝ます！』





おやすみなさいって俺の腕をするりと抜けてエントランスに入っていったAちゃん。






女の子の気持ちがイマイチ分からない俺でも、Aちゃんが怒ったのだけはわかった。






志｢…はぁ、帰るか。｣





同期に帰る旨の連絡いれようとスマホ出したら、





『志摩さん！』





って、いつの間にかまた出てきてたAちゃんに呼ばれて。






『私志摩さんのことが好きです。志摩さんが私と付き合えないって思っててもタイプじゃなくても。なので諦めません！』




あ、水族館楽しみにしてますね！絶対来てくださいね！





って、さっきの泣き顔とは打って変わって笑顔で言って去っていくAちゃん。






あぁもう。ずるいのはどっちだ。





彼女の笑顔に惹かれて、暫くそこから動けなかった。







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