5. 不安 ページ6
『…はぁっ…！』
森を駆け抜けなるべく遠くへ行く。
ノーマンの事だから、先に小さい子達を捕まえにいくに違いないが、
彼は大人数でも、そんなに時間が掛らない。
『このくらい遠ければ捕まらないかな……あれここは…』
ママに行くなって言われた柵の向こう…
無我夢中で柵を越えてしまったが…
『別に大丈夫だよね…？あんなに低い柵だから、なんも無いだろう…』
奥へ進み近くにあった木に登って、
様子を見る事にした。
『……っ？何あれ…？』
登って見た先には厚く造られたコンクリートの壁。
壁の先に何かあるの？
私は何故か気味が悪くなって、
来た道を戻った。
………
「あっ！A！こんな所に居た。」
『……えっ！ ノ、ノーマン…？！』
ノーマンに木に登っている所を見つかり
コアラみたいな状態に。
こんな姿、よりによってノーマンに見られるなんて……！！
『…えっと…ノーマン、どうか見なかった事に…』
「出来ないよ。それにAとエマしか残ってないからね。危ないから大人しく降りて」
『……イヤだ。』
降りて、素早く逃げる選択もある。
けど、絶対敵わないのが目に見える…。
それにエマも捕まってない。
私が捕まったら、側負けだ。
「ほら、降りて。じゃないと僕が…」
諦め悪い私が折れないせいか、
ノーマンが木に登り始めようとしてた。
ノーマンは小さい時から身体が弱い…
このままだと…
『わ、分かった降ります！降ります！！だから待っ……っ！！』
と足を踏み外し…
そのまま落下。
『……えっ！？』
「A、捕まえた。」
と目の前には大好きなノーマンの顔が
近くに移りだす。
そう、彼を下敷きにして押し倒している態勢だ。
「Aの弱点は、恥ずかしいところ見られるとすぐにてんばるとこ。だけどそこも可愛いんだけどね。」
かわいい…？！
今の私は顔が赤くなっているに違いない。
「じゃ、僕はエマを捕まえに行くね。」
とかけてゆくノーマン。
いつもの事じゃないか。
鬼ごっこで私とエマが残ると
先に私が捕らえられてしまう。
『今日もまた捕まった。』
せめて私もエマのように
ノーマンが追いかけてくれるような
子になりたいな…
『………なんてね。…』
その言葉は虚しく響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありす - 続きが気になりますー！最年長全員が片思いしていてとてもキュンキュンしました！これからも頑張ってください！ (2019年6月2日 15時) (
レス) id: f32f67d3c0 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 頑張ってくーだーさい！！ (2019年4月6日 13時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 凄く面白いです！最後に誰が誰と結ばれるのか気になります！これからも頑張ってください！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 74012f0d95 (このIDを非表示/違反報告)
minori0405(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ちきれないです！頑張ってください (2019年3月19日 2時) (レス) id: 9169d3c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
音海 永愛(プロフ) - 面白いです！でも所々に誤字脱字が……。ゆういつ、優位→唯一。助詞がないのが気になります。上からですみません。 (2019年3月2日 8時) (レス) id: a04e929a54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年1月29日 0時
