3. 小さなウサギ ページ3
ママが感謝の言葉と祈りを捧げ
一斉に食事に取り掛かる。
「やっぱり寂しいな…コニーがいなくなるのは」
エマが視線を向ける先には
ママに甘やかされながら食べさせてもらっているコニーだった。
その微笑ましい姿のコニーをハウスの中で見られるのは今日で最後だ。
『仕方ないよ。私達だって12歳になれば、ここから出ていくんだから。それにコニーならどこに居ても幸せでいられるんだろうね。』
ここ、グレイス·フィールドハウスは
38名の12歳以下の子供達が住む孤児院。
私とエマは物心つく前からここに居て、
ノーマンやレイとは幼少時代を共に過ごして来た仲。
ママと呼ばれる人のもと、
私達は彼らと共に育ち、本当の家族として慕ってきた。
これまでにもない幸せ。
だけど里親に引き取られればこのハウスから去らなきゃならない。
最年長の私達は12歳になれば、フィル達とお別れしなきゃいけない…
「……いい里親に
引き取ってもらえてたら良いな…。
今日はさ、僕らなりのやり方でコニーを送ってあげよう。」
私達なりのやり方、
それは毎日と変わらない日をおくること。
別れは寂しいけど、
お別れだからって特別な事をするんじゃなく､
当たり前の様に変わらず最後まで過ごす方が、コニーにこれが最後の日なんだって
思わせないためなんだろう。
「そうだねノーマン」
先程曇っていた表情をしたエマは、
ノーマンの一言でまた笑顔になった。
それに外を出れば、またいつか会えるよね。
「エマ、A」
「どうしたの？コニー」
するとコニーはスプーンを差出し、
「あーんしてもらってもいい？わたしのワガママをお願いしてもいい…かな？」
「『もちろん！』」
嬉しそうな顔のコニー、
将来の話をエマに聞かせてもらっていた。
ふとちらつくコニーの首元にある
この大きく書かれたナンバー。
いつも同じ色の白の服。
気に止めなかったけど、どうして何だろう…？
ペチっ…！
すると誰かが私のおでこにデコピンをかます。
『って…痛いよ…レイ！』
「早くしろ、A、エマ。
次のテスト、ヘマしないようにしろよ。
双子の5歳児。」
「5歳児じゃない！私3人と同じ11歳！」
『ぇ〜。私をエマと一緒にしないでよ。』
「…A〜味方だと思ってたのに〜！！
私お姉ちゃんだよ」
「だね〜。ハハハッ」
いつまでも幸せでいられたらいいのに。
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ありす - 続きが気になりますー！最年長全員が片思いしていてとてもキュンキュンしました！これからも頑張ってください！ (2019年6月2日 15時) (
レス) id: f32f67d3c0 (このIDを非表示/違反報告)
まろまろ - 頑張ってくーだーさい！！ (2019年4月6日 13時) (レス) id: b9e42e7531 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅう - 凄く面白いです！最後に誰が誰と結ばれるのか気になります！これからも頑張ってください！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 74012f0d95 (このIDを非表示/違反報告)
minori0405(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ちきれないです！頑張ってください (2019年3月19日 2時) (レス) id: 9169d3c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
音海 永愛(プロフ) - 面白いです！でも所々に誤字脱字が……。ゆういつ、優位→唯一。助詞がないのが気になります。上からですみません。 (2019年3月2日 8時) (レス) id: a04e929a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2019年1月29日 0時
