【ONE PIECE】限界オタクとハートの海賊団

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『あ、これ私目覚めない方が良かった系？』




目を覚ますと、永遠の眠りを強要されていた件。




仕事帰りの金曜の夜に、疲れた体を労わって風呂に入ったところまでしか私は記憶がなかった。風呂に入りながら寝てしまったのか、あの科学の力で真っ青に染まった湯船の中が随分心地かったのを覚えている。まるで海の中に沈んでいくような感覚が最後の記憶。

次目が覚めた時には見知らずのベットの上。見知らずの人間達に敵意丸出しで囲まれていた。何がどうなったらこうなるのか30文字以内で説明してくれ。



「てめぇ何者だ」



いやお前が何者だよ。


と言いかけたが、お前親でも殺されたのかってくらいの殺気と刀の刃を首元へ向けられ、つばと共に色々飲みこんだ。刀って...おま刀ってそれ本物じゃねぇよな。めちゃくちゃ切れ味良さげだけど違うよな。まずその人を殺せそうな鋭い目つきをやめてくれ。私のメンタルずたぼろなのよ。



『も、申し遅れました。私小池 Aと申しまして...』



悪質クレーマーを思い出した。この対応は慣れている。こういうのは取り合えず謝って下に下に出る。営業スマイルを浮かべながら、癖で染みついた胸元から名刺を取り出そうとする動作。だが、私は着慣れたスーツではなくシンプルなシャツとズボンだった為、私の手は空回りした。

そう言えば眼鏡以外の所持品はないのか？スマホ無いのはちょっと困るなぁなんて呑気なことを考えていたら、刀の刃がピタと首に触れた感覚を感じて、現実に引き戻される。



「お前その動作...今拳銃を探す動きをしていただろう。癖でこの動きが出るとは相当だなぁ？てめぇやっぱり一般人じゃねーな」


『えっ誤解誤解！！名刺！名刺をね！渡そうとね！...ひぃっ！』




嘘を言うなと疑いのこもった目を向けられる。
嘘も何も、私はただの一般限界オタクなんですが...一応社会の為に働いてるんですが...。こんなヤクザみたいな人に絡まれる筋合いないんですが！！
えぇ私、廃課金税だけどちゃんと納税してたのに...何この人達オタク過激派？同担拒否の方？私地雷ふんだ？オタクは怒らせると怖いからな。

思い当たる節はそれくらい...私はなんでこんな命を狙われているのか。





「さっさと吐け。お前はさっきの海賊か。海軍の回し者か...!」


『...カイゾク？カイグン？』





一体私が何をしたのかと思えば、彼の口から出た言葉は予想外のものだった。






『あぁわかった。これあれか...夢か！』

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