【ONE PIECE】限界オタクとハートの海賊団

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「ねぇAがよく言ってる“推し”ってなに？」



ハートの海賊団で借金返し生活を送ること数週間。
戦闘でほぼ役に立たない私は、武器、燃料、食料等の管理、その他雑用をすることになった。管理系の仕事をすると必然的に、よく一緒にいるのは航海士であるべポ。医療系の知識をなしにして考えると、この船で一番頭がきれる。


というわけで白熊と仲良く仕事しているわけである。熊が同僚って何。


白熊は、その愛くるしい見た目もあり、怖いという感情はなかった。むしろ撃たれ弱いし人間らしいというか...。べポはミンク族という種族らしい。よくわからないが、ケモミミ系も網羅するワンピってすげぇな。
言語も通じるので、普通に仕事中に喋ってたら仲良くなった。べポの話す内容は殆どが船長のことだが。


今日も今日とてべポと話していると(だんじてサボりではない)、べポはそういえばという風に質問をしてきた。



『推しか...好き、尊敬...神。生きる意味。一言では言い表せないけど、人に勧めたいと思うほどの好きが溢れる人やものを指していう言葉かな。私のいた国ではよく使われてるんだけど...そうだな。べポでいうとこのキャプテンみたいな人の事』


「キャプテンは推しだったの...!!」




キラキラとつぶらな瞳を向けてくるべポ。ようこそこれがオタクの世界です。



「キャプテンのかっこいい所はもう数えきれないよ...なんだかんだみんなの事心配してて...この間なんかもちょっと紙で手切っただけなのに消毒するって聞かなくてさ」


『それは沼る。ぱっと見怖いのにそういう優しい一面があるのは反則だよね...』


「Aの推しって誰なの？...キャプテン？」


『私は推しが多すぎて一番は難しいからな...でもこのハートの海賊団のみんなも好きだよ。すでに箱推し...他の海賊にも会ってみたいなぁ...』



この短い期間で、ハートの海賊団が見事に推しになってしまった。みんなキャプテン大好きだしキャプテンもなんだかんだ仲間を大切にする姿が尊いので普通に好きになるよね。
毎日いい栄養をありがとう。健康になるこれは。


まだこの広い海には推しになりえる奴らがゴロゴロいるんだと思えるだけでワクワクする。
意外と海賊に向いているのかもしれない。




「みんなって...俺のことも？」



べポがもじもじと聞いてきた。
こちらの顔色を気にしてちらちらとこちらを見ている。



『は？？....かわいいかよ。好き』




もうお前が最推しでもいいよ。

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