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翌朝、全く眠れず、ついてしまった濃い隈と少し腫れてしまった目をもう慣れてしまったメイクで無理矢理隠す。
今日はあいにく用事があった。気分は乗り気ではないが仕方がない。高橋君との大事な用だ。行ったついでにこの話でも聞いてもらおうか...。
鏡の前で無理矢理笑顔を作ってから、外へ出る。
少し早めに家を出たのは、気持ちが落ち着かなかったからだ。
「...よお。A」
最悪だ。今一番顔も声もなにもかも見たくない奴と会ってしまった。
私は、できるだけ彼の方を見ないようにして走った。
「おい待てA！...くそすばしっこいな相変わらず」
『...っ...なんで付いてくんだよ！もう何も聞きたくない！』
いつの日か、彼らと初めて会った日のように彼は私を追いかける。
走っても走ってもずっと彼は私を追いかけてきた。
そしたらしだいに雨も降ってきた。こんなところまであの日みたいにしなくてもいいのに、どんどん強くなる雨の中私たちは走った。
『なんで追いかけてくるんだよ！もうお前なんかっ....っ...!!』
嫌いだと言おうとしたら、濡れたアスファルトに足を取られた。
ふわっと身体が浮かぶのが分かる。
あぁこれスっ転ぶな...。なんて知っている痛みに備えて目をつぶれば、その痛みは一向に来ることはなく、代わりになにか温かいものに包まれた感覚があった。
「ははっ相変わらず盛大にこけたな...俺もだけど。やっと捕まえた」
にかっと笑う彼がすぐそこにいた。走ってたから脈が上がったのか、彼のせいで脈が速いのかもう分からなかった。ただ、彼が、私が転ぶ瞬間に私を抱きしめて痛みを代替わりしてくれていたのは分かる。
痛ぇと言いながら体を起こす彼に、もう逃げることをあきらめた。
「そんな取って食ったりはしねぇから、逃げんなよ」
『...お前のせいで、遅刻した。大事な用だったふざけんな...くっそ今日は高橋と結婚の話す予定だったのに』
時計を見たらもう約束の時間は過ぎていた。取り合えずもう今日の予定は無理だと腹をくくって、もう待ち合わせにいるであろう高橋君にお詫びの連絡を入れる。
「あ？てめぇまだあいつのこと好きなのかよ」
『は？なに言ってんだよあいつは良い友達だよ...っておい！携帯返せ！』
ドラケンの手にある携帯は2回コールが鳴ったあと、高橋の声が聞こえてくる。
「お前が高橋か。Aは今日来ない。じゃあな」
それだけ言って通話を切られた。
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ゆりあ(プロフ) - はいじさん» コメントありがとうございます！終わり方結構悩んだのでそう言ってもらえると嬉しいです！新作の方もぜひよろしくお願いします！ (2021年8月29日 16時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
はいじ - 完結おめでとうございます！少し寂しいけどめちゃめちゃいい終わり方でした...!新作も応援してます！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 9db9b51c86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - マクドさん» コメントありがとうございます！泣いてもらえるなんて...嬉しくて涙が。他キャラの作品もぼちぼち作る予定ですのでよろしくお願いします！ (2021年8月29日 15時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
マクド - めっちゃ泣きました！好きすぎる！他キャラクターとの作品も待ってます(土下座) (2021年8月29日 15時) (レス) id: accf718d90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 夜野ちいさん» 完結までお付き合いいただきありがとうございます！感動してもらえるなんて..嬉しい限りです！本当にありがとうございます！！ (2021年8月27日 23時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ | 作成日時：2021年7月23日 15時
