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『まだかな...』
受験まで3日。心がどこか落ち着かなくて、思い出したエマの焼いてくれたクッキーの味。
ダメ元でエマに頼むと、マイキーとの墓参りの後にクッキーもっていくね！とメールが来た。今日は確か天竺ともめるって言ってたから、真一郎君にでも挨拶してんのかななんて思いながら、待ってる！ありがと！とメールを返して、はや数時間の時が流れる。
適当に聞き流していた英語のリスニングよりもずっと待っていたメールの着信音がようやく鳴ったと思えば、送り主はエマじゃなくてドラケンだった。
“エマがバイクにはねられたらしい。病院に行く準備しろ”
...は？
簡潔なメールの内容なのに頭に何も入ってこなかった。だって私は今彼女のメールを待ってるはずなのに。何も考えられず、部屋着のまま外へ出た。辛うじて、彼が迎えに来るということだけは頭に残ったから。その数分後、ドラケンは愛機を走らせて私の家まで来た。
バイクに乗ると彼は決まって、私に話しかける。だけど今日は何も話さなかった。話せなかった。
病院について、看護師さんにある部屋に案内される。
それを“霊安室”と言っていた。理解できなかった。
それじゃあまるでエマが...。
簡易な部屋に、静かに眠るエマがいた。
数時間前、メールをしていた。
数日前まで一緒に笑っていた。
いつも私を姉のように慕ってくれていた。
そんな“過去”のエマが私の頭を駆け巡った。
「将来はお嫁さんになりたい」なんて未来の話ばかりしていた彼女の過去ばかりを思い出してしまうのはどうしてだろうか。怖くなって、彼女の名を呼んでみたけど、あの元気で可愛げのある声は返ってこなかった。
なにも理解できなくて、理解したくなくて。
でも、徐々に視界がにじんでぼやける。勝手に涙があふれて止まらなくなった。
「...マイキーと話してくる」
かすかに震える低い声。余裕のない表情がにじむ視界からちらっと見えた。
彼はそのまま部屋を出た。言葉通りマイキーのところへ行くのだろう。
2人きりになってしまった部屋は酷く寒く、静かな空間だった。
怖くなってもう一度彼女の名を呼んだけど、震えて言葉がつっかえている自分の声しか聞こえない。
『..えﾞ..んぐっ..えﾞまぁﾞ..っ』
なぁにAって答えてよ。
そんなに呼ばなくてもきこえてるよって...。
なんで何も言わないんだよ...っ。
息が苦しい。
まただ。
1人にしないで。
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ゆりあ(プロフ) - はいじさん» コメントありがとうございます！終わり方結構悩んだのでそう言ってもらえると嬉しいです！新作の方もぜひよろしくお願いします！ (2021年8月29日 16時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
はいじ - 完結おめでとうございます！少し寂しいけどめちゃめちゃいい終わり方でした...!新作も応援してます！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 9db9b51c86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - マクドさん» コメントありがとうございます！泣いてもらえるなんて...嬉しくて涙が。他キャラの作品もぼちぼち作る予定ですのでよろしくお願いします！ (2021年8月29日 15時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
マクド - めっちゃ泣きました！好きすぎる！他キャラクターとの作品も待ってます(土下座) (2021年8月29日 15時) (レス) id: accf718d90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 夜野ちいさん» 完結までお付き合いいただきありがとうございます！感動してもらえるなんて..嬉しい限りです！本当にありがとうございます！！ (2021年8月27日 23時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ | 作成日時：2021年7月23日 15時
