▽ 31 ページ32
.
ドラケンの唇がゆっくりと離れていく。
肺一杯に入った空気で胸が温かくて、切れた唇からは鉄の味がして、どうしようもなく生きてるのだと感じた。
「ちょっと落ち着け。お前のせいじゃねーから...これは俺らの問題だろ？1人で背負うな」
『...ごめん。ありがとう』
ぽんぽんと小さい子をなだめるように頭を撫でられた。その手つきがあまりにも優しくて、また涙が出そうになった。
そう言えばこんなこと前にもあったなと思い出す。あの夏の暑い日、お前が私を助けてくれたことを。こうしてとびっきり優しくしてくれたことを。
そうだ思い出した。どうやってこいつらの喧嘩を止めていたか。
でも今更止められるのだろうか私に...。
「もうやめましょう！マイキー君！！」
マイキーを止めようと涙を流しながら2人の間に割り入る武道が目に入映る。
圭介が大好きだった2人で争うなと、圭介は私たちを守ってくれたんだと必死に訴える彼の姿に勇気をもらった。お前には助けられてばっかりだな。
『...マイキー...万次郎！...私の目を見ろ！！』
今にも武道へ殴りかかろうとしたマイキーの前へ立つ。ビックリするほど冷たいその瞳を私に向けさせれば、動きが止まる。
「...A...どけろ。場地の仇をとらねぇーと...」
『....万次郎。圭介はね、テストでいっつも赤点取ってくるくせに、あいつ選択問題だけは得意なんだよ...。野生の勘ッてやつなのかな？あいつ絶対間違えねぇんだ...』
「死ぬのが正解だったって言うのかよ」
「マイキー君...。場地君はみなさんが大好きだからこの選択をしたんですよ」
マイキーの殺意が静まっていくのを感じる。
ゆっくり視線が下に落ちていく...。彼の目には見覚えのあるお守りが映った。
圭介のものだった。
思い出しただろう。
あの日を。東卍を創った日を。
一人一人がみんなの為に命を張れるチームにしようと。
このメンバーで時代を創るって決めたのは圭介だったと。
『...圭介の選択は間違ってなかっただろ？だから私たちからとびっきりの花丸やらねぇと...』
「...うﾞん...ごめんな場地...」
パトカーのサイレンの音が聞こえる。
一虎は、真一郎君と場地のことを一生背負って生きていくと深く深く頭を下げてその場に残った。
この大規模な
「これからも一虎は東卍の一員だ...お前を許す」
長かった喧嘩が終わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 593人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - はいじさん» コメントありがとうございます！終わり方結構悩んだのでそう言ってもらえると嬉しいです！新作の方もぜひよろしくお願いします！ (2021年8月29日 16時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
はいじ - 完結おめでとうございます！少し寂しいけどめちゃめちゃいい終わり方でした...!新作も応援してます！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 9db9b51c86 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - マクドさん» コメントありがとうございます！泣いてもらえるなんて...嬉しくて涙が。他キャラの作品もぼちぼち作る予定ですのでよろしくお願いします！ (2021年8月29日 15時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
マクド - めっちゃ泣きました！好きすぎる！他キャラクターとの作品も待ってます(土下座) (2021年8月29日 15時) (レス) id: accf718d90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 夜野ちいさん» 完結までお付き合いいただきありがとうございます！感動してもらえるなんて..嬉しい限りです！本当にありがとうございます！！ (2021年8月27日 23時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりあ | 作成日時：2021年7月23日 15時
