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▽.
「そういえば、雇用期間のことだが...こちら側の不手際でお前にけがをさせてしまったからな。怪我が癒えるまでここに滞在して治療を受けるというのはどうだ？なにせここには腕が立つ医者もいる。もちろんその期間中は雇用期間として扱うので報酬も追加でつけよう。宿も飯も提供する」
嫌な雑音はなく、コツンと小さな音を鳴らしてグルッペンの手から離れるティーカップ。
私もティーカップをソーサーに置き、グルッペンを見る。ビックリするほど笑顔の彼に少し腹が立つ。笑顔に腹が立つのではない。まるでこうなることを分かっていたような...彼の手のひらで踊らされていたような状況に腹が立つのだ。そして、それを受け入れるしかないことに。
『...その話乗り気ではないですがお言葉に甘えさせていただきます。ただ、報酬は前にも言いましたが、契約時に提示した額で結構です』
「フハッハ！謙虚な奴だ。ま、こちら側としては万々歳だが」
『言っておきますけど、これ以上の任務期間延長はしませんからね...この延長だってする予定じゃなかったんです』
「まぁまぁそんなに怒るな。こっちにいる間不便な思いはさせないさ...そうだな。1人部屋が寂しいというなら、俺の部屋に来ても構わんぞ？」
『1人部屋でお願いします』
きっぱりとお断りさせてもらうと、それを聞いていたオスマンとトントンがグルッペンをいじるように笑う。私は笑えないが。
「まぁ冗談はさておき、部屋の鍵は今夜夕食の際にでも渡そう...後で食堂にこい。契約書は後日でいいだろう。今仕事が立て込んでいるから作成に時間をくれ」
「仕事が立て込んでるというより、ため込んだんですけどねぇ...」
『契約書は後日でかまいませんので仕事してください。では、今夜の夕食で』
じゃ、そろそろいきましょうかねぇ！と言いトントンがグルッペンの首根っこをつかんで総統室に向かって歩いていく。嫌だと駄々をこねるグルッペンの言葉は聞き入れられず、2人はどんどん小さくなっていった。
2人が抜けて静かになった空間の中2人を苦笑しながら見送ったオスマンが再び私の方を向く。
「もうほんとうにごめんねぇうちの総統が...」
『いえ...』
空になったティーカップと皿を見て、オスマンもそろそろ俺らもおいとましようかと言って、お茶会は静かに幕を閉じる。
そして、私のW国での生活が幕を開けた。
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ゆりあ(プロフ) - 煽り検定一段 柴犬愛護団体所属 シュークリームさん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえてうれしいです！更新頑張ります！ (2023年4月16日 0時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
煽り検定一段 柴犬愛護団体所属 シュークリーム(プロフ) - 初見です！好きです！！大好きです！！おもしろいです！！！ (2023年4月15日 15時) (レス) @page18 id: ba0d86ddc8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます！尖ってる方でもお世話になってます！やっぱりアリスさんは褒めて伸ばすタイプだったんですね...！こちらも更新頑張ります！ (2021年7月29日 14時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 好きです！！更新頑張って下さい！！ (2021年7月29日 13時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - マクドさん» 長らくお待たせしてしまってすみません！面白いって言ってもらえてうれしいです！コメントすごくモチベーション上がります！更新頑張りますね！ (2021年5月21日 21時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ | 作成日時：2020年7月19日 17時
