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▽.
『そこまで核心をついてるならもう話すことはないと思うんですが...“還”です。名無し解散後は文字が書いてある布は付けてませんが、慣れもあって無地の布を付けることは多いです...』
ヘブンへ圧をかけられること、ロボロとの信頼を深められること...正直理由としては物足りないが、こちらも彼が名無しであることを知ってしまったし、過去に仲間として働いていたことに敬意を示して話した。
と言っても、さすが天才ハッカー。ほとんど私が名無しであることに確信を持っていた。私は返事をしたまでだ。
「おお!!やっぱりそうやったか!!」
『すみません...もう少しボリュームを下げて話していただいても?』
天の中でも、通る声だったとされる“天の声”とやらはおそらく彼のことだったのだろう。
何度か任務でこの声を聴いたがインカムを通しても鮮明に聞こえるこの声は、リアルだと余計聴こえる。
すまん!と言って口を押えるロボロは、身長も低くなんとなく幼く見えた。
こんな小さな身体からどうやってこの大きな声を出しているんだろうか。
「久しぶりにぺ伸以外で会ったわ...いや実力が予想以上やったからこれが脅威やったら怖いおもてん。それにそこまで情報開示したがらないと逆に気になるっていうか...」
『元名無しが2人もいるなんてすごい国ですね...でも情報開示はこれ以上しませんからね。探りを入れるのはもうやめてください。本当は怪しまれないように布は付けずにいる予定だったんです...だけどあなた達、幹部の一部が私の表情を常に窺ってるので...。少しは自重してください』
「うーん...ここのやつら知りたがり多いからなぁ。俺も人のこと言えんけど」
『契約違反...』
「いやちゃうねん!それほど興味のある存在として認識されとるってことや!」
彼の言い訳はもはや言い訳ではなかった。
知れば知るほど関係は深まる。そうなると、各国で様々な依頼をする私としては公平に依頼をこなせなくなることや、新たな脅威を作ってしまう可能性がある。
だから依頼までの関係でいることが重要なんだ。
私にとってもあなたたちにとっても....。
弱みは作るな_____。
名の無き組織は、仲間でさえも素顔を知らない。
だからこそ、任務において信頼できた。
『私は弱みは作りたくないんです』
「そうか...俺は強みを作ることにした」
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ゆりあ(プロフ) - akariさん» コメントありがとうございます!そ、そんなに褒めてもなにも出ないですよ笑 更新頑張ります (2020年11月2日 17時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
akari(プロフ) - めっちゃ面白かったです!足ベキで表現力が凄すぎて思わず「お゛っ…ひぇぇ」って声出たましw続き読んできます! (2020年10月17日 1時) (レス) id: b33ff88052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!まだまだ続きますので少々お待ちを! (2020年7月19日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - 面白いです。続き待ってます。 (2020年7月16日 22時) (レス) id: 5f842aeb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます!面白いその一言だけでもエネルギーになります!頑張ります! (2020年3月11日 16時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2020年3月8日 22時