01 ページ1
.
「...はぁ...あいつまたやりおったな...」
近年、武力国家として注目されるW国。まだ規模は大きくはないが、戦争では負けなし、貿易も盛んになってきたこの国。
兵力の強さは言わずもがなだが、防御も堅いことで有名だ。地形は山と海に囲まれた自然の防壁、国内のセキュリティーはトップクラスだという噂もある。そんな国の中央に聳え立つのは鉄壁と呼ばれる城だった。
そしてこの城の最上階...この国のトップのものがいる部屋には...
「なんでグルさんおらんねん...」
誰もいなかった。
この国のトップグルッペン・フューラーの座るはずの席には、代わりに重要書類が山のようになって積み重なっているだけだった。
「今日までの提出書類ある言うとったんにあいつ...なにが勝手にハンコ取ってってもいいゾ☆やねん...粛清したろか！」
彫刻の様な深い隈を作るのは、W国書記長トントンである。
戦闘、外交、貿易何をやっても有能な彼は、裏の指導者と言われるほど多くの仕事を受け持つ。受け持つというよりは、受け持たなければならない。国が回らない。
なぜなら、本来この仕事をするはずの幹部がそろいもそろって、仕事をしないからである。
特に、事務作業や戦争以外の計画...戦争狂なやつらは戦争しか頭にない。
もちろんそれは総統であるグルッペン・フューラーにも当てはまる。むしろ１番戦争狂だし仕事のサボり方も大胆。グルッペンは仕事から逃げるために城外へ逃亡するのだ。
そして今日も今日とて、トントンは総統の脱走に頭を悩ませていた。
「最近頻度上がってきたんちゃうか...この前なんか丸２日帰ってこんかったし」
すめて護衛を付けてほしい...こんな状況でも彼を心配する大天使トントン。
グルッペンの逃亡は最近増え、逃亡時間も伸びている。
いくら彼が強いと知っていても、心配になるのは当然だった。
トントンは溜息を吐きながら、インカムに手を伸ばす。
「ロボロ...グルッペンが逃げだした」
総統室には、トントンの疲れた声だけが聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - akariさん» コメントありがとうございます！そ、そんなに褒めてもなにも出ないですよ笑 更新頑張ります (2020年11月2日 17時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
akari(プロフ) - めっちゃ面白かったです！足ベキで表現力が凄すぎて思わず「お゛っ…ひぇぇ」って声出たましw続き読んできます！ (2020年10月17日 1時) (レス) id: b33ff88052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて嬉しいです！まだまだ続きますので少々お待ちを！ (2020年7月19日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - 面白いです。続き待ってます。 (2020年7月16日 22時) (レス) id: 5f842aeb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます！面白いその一言だけでもエネルギーになります！頑張ります！ (2020年3月11日 16時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりあ | 作成日時：2020年3月8日 22時
